『ヨワネハキ』でブレイクのasmi「最初は不安でした」
中毒性のある和風のリズムとサウンドがTikTokで注目を集め、大ヒット曲となったMAISONdes feat. 和ぬか, asmiの『ヨワネハキ』(MAISONdesについては記事「仮想音楽空間『MAISONdes』 若手がコラボ曲続々と」参照)。歌唱を担当したasmiは、これまでリアルな恋愛感情をエアリーでキュートな歌に乗せるのを得意としてきた20歳のシンガーソングライターだ。音楽の専門学校を卒業後、19年10月に歌手デビュー。20年には関西の10代ミュージシャン最大級のコンテスト「十代白書2020」でグランプリも獲得した。

「20年は『十代白書2020』のグランプリをはじめ、冬の恋愛ソング『memory』の一節『会いたいの電話許されますか』がTikTokで話題になるなど、驚くことばかりで、それが21年も続いている感じです(笑)。
MAISONdesへの"入居"が決まったのも、曲を作った和ぬかさんからのリクエストもあったそうで。和ぬかさんの『寄り酔い』が大好きだったので本当にうれしかったですね。
ただ、『ヨワネハキ』を最初に聴いたときは、正直不安でした。これまでネガティブな印象の曲を歌ったことがほぼなかったですし、キーも高くてぎりぎり出るかどうか……。ただ、実際に歌ってみるとすごくハマる感覚があったんです。自分では書けない歌詞や曲を歌ったことで、前よりもぐっと視野が広がったと感じています。
苦労したのは滑舌です。普段はふわっとした歌い方をするので、言葉をハキハキ歌うためにお腹から声を出してパンと張り上げるよう意識しました。レコーディングは東京だったので、『和ぬかさんに会える!』と期待したのですが会えずじまい。まだSNS上であいさつしただけです(笑)」
印象的な歌詞とサビの転調
『ヨワネハキ』は、「TikTok流行語大賞2021ミュージック部門賞」も獲得。バズった理由をどう見ているのだろうか。
「『そういやさ/そういやさ』と歌う部分はめちゃめちゃ耳に残りますよね。サビで転調して、パッと開ける感じがこの曲ならではの特徴で、TikTokで使いたくなる曲だなと。ただ、最初は自分事とは思えず、母がサイン色紙を持って帰ってくることが増えて、徐々に実感するようになりました(笑)。『THE FIRST TAKE』に出させていただいたときは、一発録りのためすごく緊張しましたね。見てくれた方からの『口から音源』などのお褒めのコメントが、うれしかったです。
MAISONdesのテーマ『6畳半ポップス』は、今の時代に合っていて共感する人も多いんじゃないんでしょうか。6畳半を広く感じる人もいれば狭く感じる人もいて、ちょうどみんなが感じ取りやすい広さかなと思います。大好きなyamaさん、さとうもかさんなど、今をときめくアーティスト同士がコラボするプロジェクトって聞いたことないので、すごくいいですよね。また入居する機会があったら……yamaさんとコラボしてみたいです。ある意味で歌声が対照的なので、組み合わせとして面白いかなって。
恋愛ソング中心の私が、『ヨワネハキ』で恋愛以外のテーマも歌うことができました。今後はいろんな曲の書き方に挑戦し、ドラマ主題歌なども作れるようになりたいです」
ジャジーでポップなサウンドに乗せ、リアルでみずみずしい恋愛感情を歌うシンガーソングライター。Rin 音の1stアルバム 『swipe sheep』収録曲『earth meal feat.asmi』に参加し注目を集める。5月リリースの『ヨワネハキ』のリミックスバージョン、『[Re:102号室]ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi,Taro Ishida(Snowdrop mix)』を昨年12月8日にリリース。2月9日にはシングル『Gerbera』をリリースした。
(ライター 橘川有子)
[日経エンタテインメント! 2022年2月号の記事を再構成]
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