野村不HD、一時4%安 住宅ローン減税巡り警戒
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8日の東京株式市場で野村不動産ホールディングス(HD)株が一時、前日比119円(4%)安の2542円まで下げた。政府・与党が住宅ローンの金利負担を軽減する「住宅ローン減税」の見直しを進める中、住宅関連事業の先行きに警戒感が広がった。

終値は3%安の2571円だった。三井不動産や住友不動産、三菱地所など不動産株は軒並み下落した。
政府・与党は2021年末に適用期限を迎える住宅ローン減税について制度を4年間延長した上で、毎年末の住宅ローン残高に対する控除率を現在の1%から0.7%に縮小する方向で最終調整している。減税を受けられる所得要件についても、3000万円から2000万円に引き下げる方針だ。
野村不動産は連結売上高に占める住宅部門の割合が47%(21年3月期)と不動産大手5社で最も大きく、「マンション銘柄」とされている。21年4~9月期は住宅分譲の計上戸数が前年同期比41%増の1406戸と好調だった。22年3月期通期の連結純利益は前期比17%増の495億円を見込む。
現行の制度では控除額がローンの支払利息額を上回る「逆ざや」ともなり住宅購入を後押ししてきた。それだけに警戒感が広がったが、「住宅ローン減税の見直しで市場が冷え込まないよう控除期間を延長する案もあり、住宅販売への影響は限定的」(大和証券の増宮守シニアアナリスト)との声も聞かれた。
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