スズキの23年3月期、一転最終増益 インド回復 - 日本経済新聞
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スズキの23年3月期、一転最終増益 インド回復

スズキは8日、2023年3月期の連結純利益が前期比18%増の1900億円になりそうだと発表した。従来予想(16%減の1350億円)から一転増益となり、最高益だった18年3月期(2157億円)に次ぐ高水準となる。主力のインドで四輪車販売が回復し、原材料高の影響を吸収する。円安も追い風となる。

売上高は26%増の4兆5000億円を見込む。従来予想から6000億円引き上げる。世界販売台数は四輪車で12%増の304万台、二輪車で14%増の186万台とし、それぞれ従来予想から13万台、7万台上乗せした。

四輪車販売が伸びるのは、全体の半分を占めるインドだ。インドの販売台数は前期に新型コロナウイルス禍によるロックダウン(都市封鎖)や半導体不足が響いて前の期比3%増の136万台にとどまったが、今期は前期比21%増(台数は非公表)となる見通しだ。従来予想(11%増)から引き上げた。22年4~9月期は前年同期比34%増の81万台に回復した。

同日のオンライン会見で鈴木俊宏社長は「インドでの受注残は40万台を超える。1台でも多く作り需要に応えたい」と語った。

今期の営業利益は51%増の2900億円と従来予想から950億円引き上げた。上方修正要因のうち、最も大きいのは販売台数の増加や値上げ効果(950億円)だ。これにインドルピーや米ドルに対する円安影響(550億円)が続く。原材料高による減益要因が従来よりも250億円、販売増による経費が300億円それぞれ増えるが、吸収して全体を押し上げる。

業績好調を受け、22年4~9月期の配当(中間配当)を前年同期比5円増の50円(従来予想は45円)に引き上げる。併せて期末配当は前年同期と同額の46円を予定していたが「未定」に変えた。「部品供給不足の影響が不透明で、世界経済の動向を見極めるため」としている。

半導体不足の影響は足元も続いている。日本の四輪車の生産台数見通しは前期比18%増の99万台と従来予想から4万台引き下げた。鈴木社長は「まだ増産対応もできない。影響は来年度も続きそうだ」と話す。

同日発表した22年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比33%増の2兆2175億円、純利益が15%増の1151億円だった。

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