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映画『ヴェノム』続編 スパイダーマンの悪役に強敵

NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

スパイダーマンの悪役を主人公にし、日本で22.5億円のヒットとなった前作『ヴェノム』から約3年、いよいよ続編が公開になる。

ジャーナリストのエディ・ブロックは地球外生命体シンビオートのヴェノムに寄生され、奇妙な共同生活を送っていた。エディはサン・クエンティン刑務所で死刑囚クレタス・キャサディと再会する。クレタスは連続猟奇殺人犯で死刑執行が迫っていた。彼は取材中のエディの腕に噛み付き、エディの血液が体内に注入。そして死刑執行のとき、シンビオートのカーネイジへと変貌する。

本作の見どころは大きく2つある。1つ目はエディとヴェノムのコミカルなやりとりの数々。主演のトム・ハーディは今作でキャリア初のストーリー作りに挑戦し、脚本家ケリー・マーセルと共に原案を手掛けた。

ハーディは、エディとヴェノムの関係性について「2人は神経を逆なでし合う夫婦やルームメイトのように、一緒に暮らさなくてはならない。けれどうまくいっていないんだ。2作目では、かなりの時間一緒に暮らしてきた2人が、それが苦痛になって、イライラしているんだ」と説明する。

2つ目はカーネイジの凶暴さ。タイトルの『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の意味は「大殺戮(さつりく)よ、起これ」。カーネイジは刑務所内で受刑者や警官を次々と殺害したのを皮切りに、刑務所から外へ出ても殺戮を繰り広げる。

プロデューサーのアヴィ・アラドはカーネイジについてこう説明する。「あらゆる面でヴェノムよりも強くて凶暴なカーネイジは、ヴェノムにとって究極の敵。しかも連続殺人犯のクレタスが宿主だから、カーネイジの凶暴な世界観が、ものすごく邪悪なものになっていく。コミックでは、カーネイジはヴェノムから派生したもので、いわば"息子"なんだ。だからヴェノムとカーネイジの戦いはそのぶん、さらに熾烈(しれつ)なものになるんだ」

アンディ・サーキス監督は「ヴェノムはがっしりしていてネアンデルタール人のようで、どっしりしていて肩幅もあり、ものすごく力強い。カーネイジは、それとは正反対にしたいと考えた。クレタスの性格を反映して、姿を自在に変えられるし、左右対称でもない。触手は繊細で細くて、様々な武器になる」と語る。

クレタスを演じるのはウディ・ハレルソン。「クレタスはひねくれていて、ずる賢く、巧妙で、とことん腐った人間だ。でもウディが演じると、そんなクレタスも愛さずにはいられなくなる。ただのずる賢い変人になってもおかしくなかった役柄なのに、ウディは時には子ども、次の瞬間には底知れぬ暗さを持った殺人者として、綱渡りをするように、そして常にクレタスのもろさを感じさせながら演じているんだ」(サーキス監督)

前作に引き続きエディの元恋人アンをミシェル・ウィリアムズが演じるほか、クレタスが愛するシュリークを『007』シリーズのナオミ・ハリスが演じる。

米国では10月1日に公開され、週末3日間のオープニング興行収入は9010万ドル(約100億円)。前作を超える大ヒットスタートを切っている。

(ライター 相良智弘)

[日経エンタテインメント! 2021年12月号の記事を再構成]

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