地球から最も遠い銀河を発見か 135億光年先、候補観測

東京大学や早稲田大学などを中心とする国際研究チームは、地球から135億光年離れた銀河の候補を発見したと発表した。宇宙が誕生してから約3億年後に生まれたと考えられる。今後の観測で正確な距離を確認できれば、これまでの記録を塗り替える最も遠い銀河になるという。初期の宇宙で銀河がどのように生まれたかを知る手掛かりになる。
研究チームはすばる望遠鏡などの観測データを使って「ろくぶんぎ座」の方角で観測に成功した。宇宙が138億年前に誕生してから3億年後の銀河とみられ、これまで発見されていた最も遠い銀河より1億光年遠い。
遠方にある銀河は暗いと想定して、感度が高いハッブル宇宙望遠鏡で主に観測されてきた。ただ、観測できる波長などに限界があり、134億光年より遠い銀河の発見は難しかった。研究チームは遠方にも明るい銀河があると仮定して、感度は劣るがより幅広い波長を使って観測できる地上望遠鏡のデータに着目することで見つけた。
今後、ハッブル宇宙望遠鏡の後継となるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でも観測を続ける。研究チームの播金優一・東大助教は「見つけたときは少し鳥肌がたった。これまで考えられていたより明るく、誕生したばかりの宇宙について見方が変わるかもしれない」と話す。