SKY-HI BE:FIRSTと別の道歩んだ3人、「幸せ」がカギ
連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(25)
ここまで数回にわたって、SKY-HIが「THE FIRST」を振り返るシリーズを続けてきたが、今回は過去3回に続き、最終審査後のSKY-HIへのインタビューから未公開の話を紹介する。主役は「THE FIRST」の最終審査で「BE:FIRST」のメンバーに入らなかった3人だ。まずは、メンバーになった7人それぞれの選考理由を語ったSKY-HIに、「チームとしてなぜこの7人だったのか」を聞くと、「幸せ」が軸となるキーワードだったことが明確に分かった。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら]

「(現在のBE:FIRSTの)7人を選んだ理由は、シンプルにこれまで言ってきた『クオリティファースト』『クリエイティブファースト』『アーティシズムファースト』の条件に合うことが1つ。もう1つはグループの"5年後の形"がどうなっているかを考えてのことです。
"5年後の形"で描いていることはいっぱいあるんですけど、今言えることは、義理や情、『メンバーのことが好きだから』といったことではなく、『自分のエゴとしてこのチーム(BE:FIRST)を大きな成功に導きたい』と僕自身が思う状況が続くことがすごく必要だと考えています。だから本質的な部分で7人それぞれの『幸せ』と、最初に作るグループの『幸せ』の合致率の高さが一番大きいと思います」
最終審査10人まで進みながらBE:FIRSTとは別の道を歩んだ3人に関して「脱落した」「BE:FIRSTに選ばれなかった」と紹介してしまいがちだが、彼らに何か不足があったわけではなく、彼らの「幸せ」がBE:FIRSTのメンバーに入ることとイコールではなかったということだ。この時、BE:FIRSTに入らなかったメンバーも全員BMSGに所属した。ショウタ(現Aile The Shota)、レイコ(現REIKO)、ラン(現RAN)の3人。彼らは最終結果が単に"道の違い"であったことを証明するように、BE:FIRSTとほぼ同時進行で世の中に出ていった。
Aile The Shotaは9月7日・8日、SKY-HIのライブに客演、SKY-HIの『me time』にフィーチャリングで飛び入り参戦。その楽曲はSKY-HIの5枚目のオリジナルアルバム『八面六臂(はちめんろっぴ)』に収録された。THE FIRST中もそのアーティスト性が高く評価されていたAile The ShotaはBE:FIRSTのデビューシングル『Gifted.』のカップリング曲『First Step』の作家陣にも名を連ねている。未経験ながら圧倒的な歌唱力と驚異の成長力で最終審査まで進んだREIKOも、SKY-HIの『八面六臂』の収録曲『One More Day feat. REIKO(Prod. Matt Cab)』に参加。2人の場合、BE:FIRSTとは別の「幸せ」がSKY-HIに見えていたようだ。
「これまで2人について感じてきたことが、最終審査のクリエイティブ審査NEOのパフォーマンスを通して確信できたし、結果発表後の2人との会話が僕自身の答え合わせになったかな。最終結果発表でもコメントしましたが、未経験者のレイちゃん(REIKO)については、THE FIRSTは最終のクリエイティブ審査NEOを見ながら『あ、(彼が)やりたいことが見つかったのかな』という感じでしたね。最終審査後に本人と話をしても、『Shining One』もすごくいい曲だったけど、僕だったらやっぱりこういうの(クリエイティブ審査NEOでRANとの2人で作詞作曲振付を手掛けた『Just FUN'ky』)がいいなみたいなのはすごくありました、って話していましたね。
ショウタ(Aile The Shota)は審査が終わった直後から『(メンバーに選ばれなかったのに)こんないい笑顔する?』っていうくらいキラッキラしていましたね(笑)。彼の場合も正直、BE:FIRSTよりもクリエイティブ審査NEOでのSOTAやMANATOとのユニット『Show Minor Savage』のほうが彼のやりたいものに近いだろうなと感じたし、本人も『Show Minor Savageをやっていいと言われるのが一番うれしい』と。BE:FIRSTとは別のボーイズグループを作ることもできると話もしたのですが『グループよりはソロに軸足を置きつつ、たまにグループをやる感じがいい』と言っていましたね」
この発言は、あくまでも最終審査直後のSKY-HIやAile The Shota、REIKOのコメントだが、2人の場合、BE:FIRSTに入ることが必ずしも彼らの音楽人生の「幸せ」とは限らなかったことが分かる。ただ、もう1人、BE:FIRSTに入らなかったRANの場合は、少し事情が違っていた。(次回に続く)

【過去の記事一覧と「BE:FIRST」についてはこちら】
(ライター 横田直子)
関連リンク
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。