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メディアドゥ、VRで漫画閲覧 電子書店と連携

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

電子書籍取次大手のメディアドゥは仮想現実(VR)で電子漫画を読む仕組みの提供を始めた。まずは同社が運営する電子書店「コミなび」でVR対応アプリを投入し、他の電子書店との連携も視野に入れる。漫画を読む体験をデジタルならではのものへと拡張し、読者層を広げる狙いがある。

細部まで確認、没入感高く

メディアドゥが開発した「XRマンガ」は、電子書籍をゴーグル型VR機器(VRヘッドセット)を通じて見るためのシステムだ。仮想空間上の画像の拡大縮小に対応する。電子漫画であれば単行本では視認できないような細かい部分まで確認でき、作品への没入感が高い。

寝転んだり別の方向を向いたりしても、目の前に漫画が映る仕組みになっている。手を検知して操作に使うハンドトラッキング機能で、画面上の操作も自分の手だけで簡単にできる。漫画を読むときの背景は森の中やプールサイドなど、好みに合わせて設定可能だ。

これまではVRヘッドセットに特定の漫画を事前にインストールしたうえで読むケースがほとんどだった。今回は電子書店と連携できる仕組みだ。そのため通常の電子書籍閲覧アプリと同じように、VRヘッドセットでの操作だけで作品を購入して読める作品を増やせる。

開発に着手したのは2020年10月。1年がかりでの開発となった。漫画の閲覧のためには単行本1冊分の約200~300ページの画像を読み込む必要がある。待機時間が長くならないような工夫や、セキュリティー面での技術開発など「開発には試行錯誤を繰り返してきた」と、メディアドゥの木下将孝シニアプロダクトデザイナーは話す。

新しい取り組みであったため、作品を持つ出版社側も具体的に何をすればいいのかわからず、許諾を得て進めることにも苦労した。

海外展開も狙う

第1弾は米メタ(旧フェイスブック)傘下のオキュラスが手掛けるVRヘッドセット「クエスト」「クエスト2」対応のアプリに投入した。両商品とも重さは500グラム程度ある。12月にもNTTドコモやKDDIが、100グラム前後のスマートグラスを販売予定だ。機器の軽量化や低価格化が進めば、仮想空間で読む漫画サービスが広がる可能性もある。

今後は英語対応の電子漫画を中心に、海外展開なども狙う。メディアドゥの溝口敦取締役は「漫画が大きく見えたり、あたかも別の場所に行ったように見えたり、現実ではできないことをデジタルでできれば、漫画の楽しみ方が広がる」と期待を寄せる。

そのうえで「新たな体験が漫画を読んだり買ったりする動機になれば、市場全体の拡大にも寄与するのではないか」とみる。

(大貫瞬治)

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