/

内側からきれいに 「食べるコスメ」世界で商機拡大

CBINSIGHTS
肌状態の改善など美容効果をうたう健康食品「食べるコスメ」が世界各国で注目を集めている。アジア地域では前から人気だったものの、最近は米国でも製品が増えており、量販店なども取り扱いを広げている。CBインサイツがスタートアップを中心とした関連企業の取り組みをまとめた。

消費財分野全般で機能性食品や飲料、サプリメントへの注目度が高まっている。消費者は「アダプトゲン」(ストレスなどに効果があるとされるハーブの総称)など原材料を選ぶことで、活力増進やリラックス効果など健康面のメリットを得ようとしている。目下の焦点は美容関連の効果をうたう成分だ。

アジアなどの地域ではかねて「身体の内側からきれいになる」食品や飲料、サプリが人気を博してきた。オランダの調査会社イノーバ・マーケット・インサイツの調査では、中国人消費者の3分の1が美容効果をうたう食品を選ぶことが明らかになった。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。

この傾向は最近、他の地域にも広がっている。例えば、コラーゲンを原材料にした製品を手掛ける米バイタル・プロテインズ(Vital Proteins)は2020年6月、スイスの食品大手ネスレに買収されて同年にカナダ市場に参入し、急成長している。サプリ「マリン・コラーゲン」が4秒に1個売れるというオーストラリアのビダ・グロー(Vida Glow)は21年5月、世界各国に販路を拡大した。

こうした美容効果をうたう栄養食品「ニュートリコスメティクス(食べるコスメ)」への関心はここ数年高まっている。

「内側からきれいになる」製品への関心高まる (「美容」と「サプリメント」「飲料」「栄養」のいずれかがニュースで言及された回数)

知っておくべきこと

・大半の製品は肌の健康に重点:大半のニュートリコスメティクスは肌の状態を身体の内側から改善することに力を入れており、ここ数年のスキンケア製品への旺盛な需要を補強する形となっている。コラーゲンが最も一般的な成分の一つで、最近はアダプトゲンも米ムーンジュース(Moon Juice)や米カインドルート(kindroot)などスタートアップの製品でよく使われるようになっている。

アダプトゲン入りサプリメントを扱う米カインドルートのホームページ

・新たな形態の飲料が登場:内側からきれいになる製品はグミやビタミン剤が典型的だが、飲料の人気も高まっている。ムーンジュースやオーストラリアのザ・ビューティーシェフ(The Beauty Chef)など有名なスタートアップの多くは、水などに溶かして飲む粉や濃縮物で知られている。水(カナダのフロー・ハイドレーション=Flow Hydration)やコーヒー(米ポップ・アンド・ボトル=Pop&Bottle)といった美容飲料も増えている。

・ミールキットは包括的なアプローチに:スタートアップが手掛ける商品の大半はサプリや飲料で、美容効果をうたう食べ物は少ない。例外は米サカラライフ(Sakara Life)や米アーバン・レメディ(Urban Remedy)など、ミールキットを手掛けるスタートアップだ。両社は代謝や免疫力を上げるなどの効果をうたう数日分のミールプラン(食材セット)を提供している。

次の動きは

・科学による健康効果の裏付けは今後も増加:内側からきれいになる製品の普及のためには、効果を証明することも必要になってくる。例えば、育毛サプリの米ニュートラフォル(Nutrafol)などは臨床試験を使って効果を裏付けている。アンチエイジング(抗加齢)効果があるグミを販売する米サンデイリー(Sundaily)は、信頼性を高めるために医学の経歴を持つ人物を創業チームに加えている。同社は20年、スキンケア製品などを手掛ける米グローブコラボレーティブに買収された。

・食品・飲料ブランドの新たな販路が登場:米ターゲットや米アルタ・ビューティー(Ulta Beauty)などの量販店は最近、美容健康コーナーに内側からきれいになるブランドを加えた。米ハムニュートリション(HUM Nutrition)の製品は消費者に直販するD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)を採用する一方、米高級百貨店のノードストロームやフランスの化粧品専門店セフォラの棚にも置かれている。コラーゲン入りのスパークリング(発泡)ティーを手掛ける米スキンティー(SkinTE)は高級スポーツジムやスパ、ホテルなどでも製品を販売する計画を明らかにしている。ウエルネス(心身の健康)は消費者の生活のあらゆる面に関連するようになっており、美容効果を持つ食品・飲料ブランドの新たな流通経路が登場するだろう。

・さらに広い層にアピール:各社は美容に加えて健康やウエルネスの効果もうたうことで、製品をもっと広くアピールしようとしている。例えば、米HVMNとドイツのスマートスリープ(smartsleep)は美容と睡眠の双方に効果があると主張しており、米エボリューション18(EVOLUTION_18)はリラックス効果に加えて髪と爪も丈夫にする粉末ドリンクを手掛ける。ハムニュートリションは人体に良い影響をもたらす微生物「プロバイオティクス」を配合し、吹き出物や消化の問題に対処するサプリを提供している。

・様々なライフステージや身体の状態に対処するため、市場が細分化:スタートアップがうたう最も一般的な効果は肌質の改善で、その多くは「輝く肌」といった幅広い客層を対象とした内容になっている。もっとも、スキンケア製品における特定の層(更年期を対象にする米ポーズ=Pause)や肌の状態(湿疹や色素沈着に対処する米トピカルズ=Topicals)を対象にした商品のように、美容効果をうたう健康食品分野でも特定の年齢層や状態を対象にした商品が今後増えるだろう。一例はニュートラフォルの更年期の女性向け育毛サプリだ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン