三菱電機、スウェーデンの昇降機企業を買収 保守拡大

三菱電機は7日、スウェーデンの昇降機企業モートム社を買収すると発表した。買収額は非公表。モートム社は昇降機2万台超の保守契約を結ぶなど北欧地域で一定のシェアを持つ。三菱電機は海外での昇降機事業拡大を掲げており、欧州地域での保守・交換需要の獲得につなげる。
3月23日付でモートム社の全株式を取得する株式譲渡契約を結んだ。モートム社の売上高は年間で約7億スウェーデンクローナ(約91億円)。モートム社は同社ブランドでの昇降機販売に加え、他社製品の保守も手掛ける。昇降機の交換ではスウェーデン国内で首位級のシェアを誇るという。
欧州地域内では昇降機の老朽化が進んでおり、三菱電機は今後、保守・交換需要が高まるとみる。保守や交換で実績を持つモートム社を傘下に入れることで、基盤強化につながると判断した。
三菱電機は昇降機などの「ビルシステム事業」を成長事業の一つに位置づけている。2025年度までに売上高を20年度比3割増の6500億円以上まで高める目標を掲げる。実現に向け海外事業拡大を強化しており、今回の買収もその一環という。
ビルシステム事業本部長の松本匡氏は「今後も国内外での安定した事業経営基盤の構築に向け、M&A(合併・買収)を含む施策をスピード感を持って展開する」としている。