農泊の品質を客室乗務員が評価 JALなどが制度を整備

日本航空(JAL)は一般社団法人日本ファームステイ協会と、農泊の品質を評価する制度を始める。農村や漁村に宿泊して現地の食や体験を楽しむ農泊は、マイクロツーリズムやリモートワークの滞在先としても注目が集まっている。ただ農泊を評価する仕組みが不十分で、客が不満を持つこともあるという。JALの客室乗務員20人を農泊の評価員に認定し、日本ファームステイ協会の基準のもとで日本各地の農泊施設を評価する。
評価員となった20人は2021年12月に座学や考査などの研修を受けた。日本ファームステイ協会が定めた料理や施設、インバウンドへの対応など9分類150項目を評価する。JALの評価員は国際線客室責任者の経験もあり、重要項目であるホスピタリティーの評価で経験をいかす。
最初の農泊品質評価は25日から熊本県人吉球磨地域の10施設で始まる。地域単位の評価と施設単位の評価の両方が可能だという。日本ファームステイ協会は今後、会員企業である旅行会社などからも評価員を選ぶ予定だ。協会の評価基準を満たした施設については、協会ホームページで公表したり、認証マークを付与したりする。
訪日外国人の多くが次回の来日で体験したいこととして農業体験をあげるなど、新型コロナウイルス感染拡大前から農泊への注目が集まっていた。農林水産省は農山漁村振興交付金のもとで農泊を支援しており、交付を受けた地域は21年度末時点で約600ある。