ヤマハ、今期一転減益に 中国の販売低調で純利益1%減
ヤマハは7日、2023年3月期の連結純利益が前期比1%減の370億円になる見通しだと発表した。従来予想を40億円下回り、一転減益となる。昨年末までの新型コロナウイルスの感染拡大による中国での販売の失速や、欧州での消費の冷え込みが響く。同日、株主還元と資本効率向上のため、150億円を上限とする自社株買いを発表した。
売上高にあたる売上収益は前期比10%増の4500億円、本業のもうけを示す事業利益は12%増の480億円を見込む。従来予想からそれぞれ200億円、40億円引き下げた。23年1〜3月期の想定為替レートも1ドル=130円(従来想定は140円)に見直した。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は、売上収益が前年同期比12%増の3382億円、純利益が横ばいの300億円だった。主力の楽器事業は米国中心にギターや管弦打楽器などが伸びたものの、中国などでアコースティックピアノの売り上げが減少した。
音響機器事業では一部で半導体調達難の影響が続くが、今期中の収束を見込む。ただ、主力の楽器事業については、記者会見した山畑聡取締役は「中国市場は来期にほぼ元に戻ると考えているが、欧州市場は霧が晴れない状況だ」と話した。
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