富士通・NEC、サーバーを1割値上げ 半導体価格上昇で

富士通は7日、サーバーの主力商品の一部で2月3日受注分から製品を値上げすると発表した。国内の値上げ幅はサーバー本体の8機種で約1割、オプション製品で約3割としている。NECも2021年12月上旬受注分から、サーバーの一部で1割程度値上げした。半導体不足などで部品価格が高騰していることを反映した。
富士通が今回値上げするのは「FUJITSU Server PRIMERGY(プライマジー)」ブランドで法人向けに販売する製品。プライマジーブランドのサーバー本体は年8万台を病院などに販売している。サーバー本体は希望価格が2万~80万円の8機種、CPU(中央演算処理装置)などのオプション製品で3製品を対象とする。
これらのサーバーは17年以降に発売し、値上げするのは今回が初めて。「半導体の中でも特に高騰しているCPUなどの部材を使う機種で価格を改定した」(広報担当者)。今後、欧州やアジアでも同製品を値上げする計画だ。
NECはオフィスや店舗で利用されるサーバーの一部で値上げした。パソコンサーバーを手がけるデル・テクノロジーズ(東京・千代田)と日本ヒューレット・パッカード(東京・江東)はともに「価格については回答できない」としている。
サーバーに使う部材は、GPU(画像処理半導体)も値上がり傾向だ。ハードディスクドライブ(HDD)も需給が逼迫している。
調査会社のMM総研(東京・港)執行役員の中村成希氏は「10万~20万円程度で事務所向けによく利用されるサーバー向けの半導体が特に足りない」と指摘する。より高額なサーバー向けの出荷が優先されている。今後も部材の供給逼迫は続くと見られ、値上げが波及する可能性がある。