Microsoftが働き方調査 「リモートで柔軟に」が73%
大河原克行のデータで見るファクト

新型コロナウイルスの感染対策としてテレワークが多くの企業に広がってからまもなく丸2年がたとうとしている。感染拡大の程度によって導入率は上下したが、大手企業を中心に新たな働き方として完全に定着した。もはや「コロナ対策のための一時的な動き方」ではない。
9割の企業が「ハイブリッドワーク」を推進
マイクロソフトの調査によると、「今後もリモートワークを活用した柔軟な働き方を希望」している従業員の割合は73%、「オンラインとオフサイトを組み合わせた『ハイブリッドワーク』を推進」する企業の割合は90%にのぼる。

「今後はハイブリッドワークへと移行していくことになるだろうが、コロナ禍だから全社員がテレワークに移行し、コロナが収束したらオフィスワークに戻るのではハイブリッドワークとはいえない」。日本マイクロソフト モダンワーク&セキュリティビジネス本部の山崎善寛本部長はこう指摘する。「これからは従業員や経営者がテレワークにするかオフィスでの勤務にするか選択肢を持って柔軟な働き方ができるようにならなくてはいけない。それがハイブリッドワークだ」と続ける。
個人所有の端末の管理が課題
テレワークが浸透する過程で浮き彫りになったのは、人によって状況が異なるということ。職種や仕事の内容、家庭内の仕事環境、ネットワーク環境などによって、オフィスのほうが仕事がはかどる人もいれば、自宅のほうが生産性が高い人もいる。そこには様々な要素が絡み合う。
山崎本部長は「仕事の内容や環境などによって働き方を選べるようにするには、どちらの環境でも高いセキュリティーを確保しつつ、最新IT(情報技術)を利用できるようにしなければならない」と説く。
マイクロソフトによると、個人のモバイルデバイスを仕事でも活用している割合は70%に達する。企業のIT部門にとっては、これらのデバイスの管理が課題となる。
同社などの調査では、「新型コロナウイルス感染症以前よりもクラウドの利用率が高くなる」と予測した企業の割合は90%に達した。「従業員が最新バージョンのデバイス(エンドポイント)を使用することが重要」とした企業の割合は77%、「先端技術に投資する」と回答した企業の割合も80%と高い。

最新技術への継続的な投資が必要に
すなわちクラウドという新たな環境へのシフトが進む中、企業には安心、安全で、効率的な利用環境を構築するためには最新技術への継続的な投資が求められていることになる。「従業員にどれだけ投資しているかを示すことが、従業員のモチベーションにも影響する」と山崎本部長は指摘する。
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ジャーナリスト。30年以上にわたって、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。
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