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次世代通信規格「6G」のあり方議論

世界デジタルサミット2021

世界デジタルサミット2021でビデオ講演したオウル大学(フィンランド)のマティ・ラトヴァ・アホ6Gフラッグシップディレクター

世界デジタルサミット2021(日本経済新聞社・総務省主催)では8日午後から「ポスト・ニューノーマル時代の情報通信ネットワークのあり方」をテーマとした講演が開かれた。次世代通信規格「6G」の研究開発について、東京大学大学院の中尾彰宏教授など日米フィンランドの有識者が講演した。

冒頭に総務省の竹内芳明総合通信基盤局長は「ポスト・ニューノーマルでは、デジタル化とグリーン化が成長のカギになる」と述べた。巣ごもり需要の影響でネットのトラフィック量が急増したことに触れ、消費電力の上昇を抑えるために「超低消費電力が特徴のビヨンド5Gが重要になる。対策を講じなければ、30年には現在の36倍の消費電力になる」(竹内氏)と警鐘を鳴らした。

総務省の竹内芳明総合通信基盤局長

政府は2030年代の6G実用化を目指す「ビヨンド5G推進コンソーシアム」を20年12月に立ち上げた。6Gの研究開発費として5年で1000億円超を投じ、25年の大阪・関西万博では研究成果などを発表する計画だ。

世界でも6Gの研究開発が進んでいる。韓国は基盤技術の開発に5年で200億円を投じるほか、欧州ではフィンランドが研究開発プロジェクトを立ち上げ、8年で300億円の予算を確保しているという。竹内氏は「有志国との連携が必須」としたうえで、「世界に占める日本の5G必須特許(14%)と同等の割合を6Gでも維持し、戦略的に特許を使うことで市場展開を進めることが重要だ」と述べた。

オウル大学(フィンランド)のマティ・ラトヴァ・アホ6Gフラッグシップディレクターは「6Gではプライバシーとセキュリティーがより重要になる」と述べた。研究開発プロジェクトでは約300人の研究者が「ワイヤレス接続」や「分散型コンピューティング」など複数の領域で研究を進め、標準化など社会実装に必要な要件を探る。

東京大学大学院の中尾彰宏教授は、海外では18年ごろから6Gに向けた学術的な議論が行われるなど「海外のビヨンド5Gの取り組みは急速に進んでいる」と話した。日本については「他の国に比べると追いついていないところがあった」と述べた。ただ端末の構成部品については日本企業が世界トップシェアを誇るとして「死守していかないといけない」と指摘。サービスの強化も急務だと述べた。

米国立科学財団コンピュータ情報科学工学局のティヤガ・ナンダガパル副部門長は「新型コロナは世界中の人々にとって目を覚まさせる警告になった」として、通信ネットワークで人とのつながりを作ることができるようになったと言及。通信ネットワークは「重要なリソースとなっている」と指摘した。

米国立科学財団コンピュータ情報科学工学局のティヤガ・ナンダガパル副部門長

これまで対面で行われていたサービスがデジタル化していくとの見通しを示したうえで、通信ネットワークへの依存度が高くなれば「今こそレジリエンスなネットワークを構築しないといけない」と話した。

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