スズキ、純利益予想25%増に上振れ 社外取に高橋尚子氏
スズキは7日、2023年3月期の連結純利益が前期比25%増の2000億円になる見通しだと発表した。従来予想を100億円上回り、最高益だった18年3月期(2157億円)に近付く。主力市場のインドで昨年発売した2車種の多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調なほか、インドでの値上げも寄与する。同日、社外取締役にシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子氏が就任する人事なども発表した。
営業利益予想は前期比62%増の3100億円と200億円上方修正した。売上高は26%増の4兆5000億円と従来予想を据え置いたが、新製品の販売好調による車種構成の改善や値上げが寄与する。
四輪車の世界販売台数は前期比12%増の302万台とした。依然として半導体不足の影響が残ることから従来予想を1万8000台引き下げた。インドは22年に投入した新型SUV「ブレッツァ」や「グランドビターラ」が好調で台数は前期比で2割増える。
22年4〜12月期の連結売上高は前年同期比33%増の3兆4128億円、純利益は35%増の1833億円だった。世界販売台数は13%増の221万台。インドが26%増の120万台、日本が10%増の44万台だった。原材料高は844億円分の減益要因だが円安が812億円分の増益要因となりほぼ補った。
スズキは同日、6月に石井直己副社長が代表取締役副社長に就任する人事を発表した。石井氏はスズキと資本業務提携しているトヨタ自動車出身で、20年にスズキに入社した。インド市場開拓や電気自動車(EV)開発で両社は連携しており、石井氏の代表取締役就任でさらに協業を深めるもようだ。