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三菱ジェット、たたまれた「翼」 曲折の15年

三菱重工、国産ジェット機撤退 まとめ読み

日の丸ジェット機が世界の空を飛び交う夢はあえなくついえました。三菱重工業は7日、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業からの撤退を発表しました。1962年に初飛行した「YS-11」以来の国産旅客機の開発で、かつての航空機大国の復活を目指した一大プロジェクトでした。MSJは飛行までこぎつけたものの、運航に必要な型式証明を得られず、三菱重工は将来の事業性を厳しく判断して撤退を決めました。参入表明してから15年。あまたの曲折のあった三菱ジェットの「航跡」を振り返る記事をまとめました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

三菱ジェット、世界一になったホンダジェットとの分かれ道は

三菱重工業が国産初のジェット旅客機の事業化を事実上、凍結する。日本の製造業再興の夢を乗せた国産ジェット機産業創生の大望は、はるかに遠のいた格好だ。三菱ジェットはなぜつまずいたのか。背景を探れば、航空機開発の「鉄則」に背いた迷走劇が浮かび上がる。

三菱重工、航空機開発の総本山「名航」の栄光と挫折

日本経済を支えてきたものづくり。そこで働く人たちは何を見て何を思い、世界とどう戦ってきたのか。時代の証言者たちの視点からその栄枯盛衰の歩みを描く。第1弾は日本の航空機産業の中心である三菱重工業の「名航」。戦前から受け継がれた戦闘機の流儀は、なぜ国産民間機誕生の悲願を果たせなかったのか。開発凍結から1年。100年の歴史を持つ空の名門の栄光と挫折に迫る。

「いったん立ち止まる」、三菱ジェット開発凍結の舞台裏

「いったん立ち止まる」。10月30日の三菱重工業の中期経営計画説明会。社長の泉沢清次は入念に準備した言葉を使い、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業化を凍結する方針を示した。官民肝煎りで12年にわたって進めてきた「日の丸ジェット」が一つの区切りを迎えた瞬間だった。

「MRJ」から「MSJ」へ 米国シフトで再起動

三菱航空機(愛知県豊山町)が「国産ジェット」というロマンを捨て、現実路線に転換する。開発中の民間航空機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の名称を変えるだけでなく、米市場向けに追加機種を開発し米国生産も検討する。小型機の世界市場で勝ち残るために競争力を高める狙いだが、米国シフトが進めば日本の航空機産業においても転機となる。

三菱ジェットを阻んだ米規制

三菱航空機(愛知県豊山町)の国産ジェット機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が16日、英国の空を舞った。2020年半ばの初号機納期へ前進した。RJ機市場の新規参入に向け、離陸態勢に入ったが、航空機事業として「巡航速度」に達するには暗雲が立ちこめる。最大市場の北米におけるRJ機の運航制限だ。

英国の空を舞った三菱ジェット、航空ショーで雄飛

国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)が欧州の空を泳いだ。16日、世界最大級の航空展示会「ファンボロー国際航空ショー」で機体を飛ばして来場者に性能をアピールする「フライトディスプレー(飛行展示)」を初めて実施、成功を収めた。

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