春季労使交渉3つのポイント 賃上げ、物価上昇上回るか
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電機大手などの主要労働組合が16日以降、経営側に要求書を提出し2023年の春季労使交渉が本格化する。40年ぶりのインフレ下で物価上昇を上回る賃上げが実現するかが焦点だ。働き手の生産性を高めるリスキリング(学び直し)やジョブ型雇用の議論を深められるかも課題となる。3つのポイントをまとめた。
ベア、3%に届くか
日本では毎年、使用者側と労組が新年度を前にして労働条件を交渉する。最大のテーマは賃上げだ...
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。