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武田薬品、研究開発に過去最大の5500億円 22年3月期

武田薬品工業は2022年3月期の研究開発費が最大5500億円になる見通しだ。21年3月期予想比で1000億円増やし、同社として過去最高規模を見込む。現在の利益を支える主力薬が今後数年で特許切れになるのを控え、睡眠障害を改善する治療薬などで最終段階の臨床試験(治験)を進めるためだ。新薬の創出へ、開発投資を最大化して臨む。

ウェバー社長は「2021年は新薬開発が進む重要な年だ」と話した(6日夜、オンライン)

「今後成長をもたらす新薬候補へ投資を続け、30年の売上高5兆円を達成したい」。クリストフ・ウェバー社長は6日、オンラインで開催した研究開発(R&D)説明会で話した。

同社は25年3月期までに11の新薬候補の承認取得を目指している。実現すれば、特許切れを機に将来的な減収が見込まれる、主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」に代わる稼ぎ頭となる。このため、まず22年3月期は最大6つで承認申請を実施し、期末までに4つの承認取得を目指す。

武田薬品が大型薬として期待をかけるのは、22年3月期中にも第3相(最終段階)の治験を始める睡眠障害「ナルコレプシー」の治療薬候補だ。日中に突然眠気に襲われる神経性疾患の一種で、世界で約300万人の患者がいるとされる。

実用化されれば、年間売上高は最大60億ドル(約6500億円)になると見込んでおり、20年代後半の同社の収益を支える柱になる可能性がある。同候補薬は25年3月期の承認申請を目指している。

現在の主力製品である「エンティビオ」は年間売上高が最大5000億円を超える可能性がある大型製品と見込まれていた一方で、開発・製造にかかわる特許が20年代半ばから順次切れる。後発薬が登場すれば減収要因となる。こうした「パテントクリフ(特許の壁)」を乗り越えるためにも、新薬の実用化は切り札となる。

ただ、6日の説明会に参加したSMBC日興証券の田中智大アナリストは「ナルコレプシー治療薬の候補は製品化されれば貢献は大きいが、今回は期待していたほど新たな情報が多くはなかった」とみる。開発投資に見合う結果を出すことができるかを、市場は注目している。

(赤間建哉)

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