不二越の22年11月期、22%増益 EVロボなどが好調
不二越が12日に発表した2022年11月期の連結決算は純利益が前の期比22%増の122億円だった。電気自動車(EV)製造向けのロボットや建設機械向けの油圧機器の販売が伸び、半導体不足による自動車減産の悪影響をカバーした。前期中の円安進行やコスト増の価格転嫁も収益を支えた。
売上高は13%増の2580億円となった。主力のベアリング(軸受け)も工作機械向けに高性能な製品の販売が増えており、14%増収となった。地域別では中国が15%増、米州が31%増となり、国内は4%増だった。
23年11月期の純利益は2%増の125億円を見込む。EV関連の設備投資を追い風にロボット事業で1割増収を見込む。自動車向けの油圧機器や軸受けは年前半は減産の影響が残ると見込む。坂本淳社長は今期業績について「インフレや円高、世界経済の停滞、自動車減産の長期化といったリスクをそれなりに織り込んだ」と説明した。
同日には黒沢勉取締役が2月22日付で社長に就任する人事も発表した。坂本社長は顧問に就く。坂本社長は黒沢氏について「売り上げの半分を占める自動車業界がEV化などの大変革期を迎えるなか、軸受けのエキスパートとして社内の構造改革でリーダーシップを発揮してきた」と評価した。