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コロナ「BA.2.75」、承認済み治療薬4種は有効 東京大学

東京大学の河岡義裕特任教授らは8日、新型コロナウイルスのオミクロン型の派生型「BA.2.75」に対し、国内で承認された3種類の抗ウイルス薬と1種類の抗体医薬が有効だったとする論文を発表した。細胞実験の結果から効果が推定できるという。派生型「BA.2」に対する結果に近く、抗体医薬で承認されている2種類については効果が低かった。

国立感染症研究所や国立国際医療研究センターとの共同研究で、米医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに論文が掲載された。

BA.2.75は「ケンタウロス」という俗称でも知られ、インドなどで感染者に占める割合が増えている。米スクリプス研究所の研究者らがまとめるデータベース「outbreak.info」によれば、インドでは直近の新規感染者の約20%を占める。感染力の指標となる実効再生産数が別の派生型のBA.2や「BA.5」よりも高いとする報告がある。国内では7月に確認されたが、今のところ大きな流行はみられていない。東京都のゲノム解析によれば8月にはBA.5が感染者の約95%を占め、BA.2.75は0.2%にとどまる。

研究チームはBA.2.75に感染した細胞に抗ウイルス薬を加えて、ウイルスの増殖を抑える効果を調べた。米ギリアド・サイエンシズの点滴薬「ベクルリー(レムデシビル)」と米メルクの飲み薬「ラゲブリオ(モルヌピラビル)」、米ファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」の成分「ニルマトレルビル」について、いずれもコロナ流行初期のウイルスと同様に有効だった。BA.2やBA.5でも効果があった。

抗体医薬がBA.2.75の細胞への感染をどれほど防ぐかも調べた。英アストラゼネカの抗体医薬「エバシェルド(チキサゲビマブ・シルガビマブ)」や、国内では未承認の米イーライ・リリーの「ベブテロビマブ」は高い効果があった。BA.2.75とBA.2の感染を防ぐのに必要な抗体の量はほぼ同じだった。BA.2.75とBA.5でも大きな差は無かった。

一方、英グラクソ・スミスクラインなどの抗体医薬「ゼビュディ(ソトロビマブ)」や、米リジェネロン・ファーマシューティカルズなどの「ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)」は効果が低かった。

エバシェルドは8月末に国内で承認された。供給量が限られるため、厚生労働省は当面はワクチン接種の効果が十分に得られない免疫不全患者などへの予防的な投与にのみ使用するとしている。

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