旅行業の倒産、4~9月に2.6倍 コロナ長期化で

東京商工リサーチが6日まとめた2021年4~9月の旅行業の倒産は前年同期比2.6倍の16件だった。前年同期の件数を上回ったのは4年ぶり。9割が新型コロナウイルス禍の影響による倒産だった。旅行需要の低迷が長引き、資金繰りが悪化して事業を継続できなくなっている。
15社が新型コロナ禍が原因で倒産した。旅行の需要喚起策「Go To トラベル」事業が停止するなど「支援が薄れ、息切れ倒産が増加している」(東商リサーチの担当者)という。従業員数別にみると、12件が5人未満の小規模事業者だった。従業員数50人以上の事業者で倒産はなかった。
負債の合計は92%減の23億7400万円だった。20年は6月にホワイト・ベアーファミリー(大阪市)が278億円の負債を抱えて倒産し、全体の額を押し上げていたため今年4~9月は大幅減になった。
東商リサーチによると、20年に廃業した旅行業者は158社と過去10年間で最も多かった。21年も新型コロナ禍の長期化などで厳しい経営環境が続いており、通年の倒産件数も「20年を上回る可能性が出ている」としている。
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