双日、国産のフッ化水素を製造 電池や半導体の材料に
双日は9日、リチウムイオン電池や半導体の製造に必要な材料のフッ化水素を国内で製造する事業を始めると発表した。2025年度内に北九州市に製造工場をつくり、26年度からフッ化水素の販売を始める予定。現状では多くを輸入に頼っているとされており、国内供給体制の構築が課題となっていた。
同日、双日、フッ化水素の原料である「ほたる石」の鉱山をもつメキシケムフロー、同社日本法人のメキシケムジャパン(東京・品川)の計3社と北九州市が製造工場の立地協定を結んだ。同市の響灘臨海工業団地内に工場を設立する。
双日は1988年からメキシケムフローとほたる石の取引などで事業を手掛けてきた。北九州市でのフッ化水素製造ではメキシケムフローが保有する世界最大級のラスクエバス鉱山(メキシコ・サンルイスポトシ州)からほたる石を輸入する。同社はフッ化水素の製造工場の運用でも実績がある。
新設する製造工場では年産4万〜5万トンのフッ化水素を製造でき、双日によると国内需要の3割ほどを満たせるという。製造したフッ化水素はフッ素化学メーカーに販売する見込みだ。
フッ化水素は、半導体の製造に必要なガスの原料となるほか、リチウムイオン電池の材料などにも使われる。国内での次世代産業育成の観点から、国内でフッ化水素を作る需要は高いと見る。
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