京王の純利益68%増 23年3月期、ホテル回復で上振れ

京王電鉄は6日、2023年3月期の連結純利益が前期比68%増の94億円になりそうだと発表した。従来予想から30億円上振れする。22年10月以降、政府の観光促進策「全国旅行支援」や水際対策の緩和が追い風となり、ホテルの宿泊利用が想定を上回る。
売上高にあたる営業収益は14%増の3406億円となる見通し。従来予想を10億円上回る。京王プラザホテル(東京・新宿)で22年9月に37%だった客室稼働率は、同年12月には75%まで回復。ホテルの需要増に加え、助成金収入も寄与する。
営業利益は23倍の168億円と19億円上方修正した。部門別の営業損益は、ホテルを含むレジャー・サービス業は36億円の赤字(前期は134億円の赤字)、運輸業が35億円の黒字(同26億円の赤字)と黒字転換し、不動産業の営業利益は5%増の110億円、百貨店など流通業は37%増の27億円と好調を見込む。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は、純利益が前年同期比4.2倍の127億円だった。鉄道の輸送人員は同10%増の4億2054万人となり、新型コロナウイルス感染拡大前の18年同期比で約8割の水準に回復した。9カ月間の純利益実績は通期見通しを上回っているが、第4四半期に鉄道事業で修繕費などがかさむと見込む。