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コロナ重症化の遺伝リスク解明 慶大など、治療へ応用も

慶応義塾大学などの研究チームは8日、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすくなる遺伝的な特徴を詳しく解明したと発表した。この特徴をもつ患者では細胞の内部で免疫に関わるたんぱく質が生じにくくなっていた。たんぱく質の働きを高めるような物質が見つかれば治療薬になりうるという。成果をまとめた論文が英科学誌ネイチャーに掲載された。

研究チームは国内100以上の医療機関と協力し、約6000人以上の感染者の血液などを集めて遺伝情報を分析した。2021年5月には、免疫に関わる遺伝子「DOCK2」の周辺に特定の違いをもつ人の重症化リスクが高いことを報告した。遺伝情報を担う塩基の一つが他の種類に置き換わるスニップ(SNP、一塩基多型)という違いで日本人の約1~2割にみられ、65歳未満の人がもつとリスクが約2倍になる。欧米人にはほとんどなくアジア人集団にみられる特徴という。

今回はこの特徴と重症化の関係を詳しく調べた。この特徴をもつ人は新型コロナに感染した際に白血球などでDOCK2の働きが高まりにくく、DOCK2からできるたんぱく質が生じにくくなっていた。

新型コロナに感染したハムスターにこのたんぱく質の働きを妨げる物質を投与すると、体重が減りやすくなり死ぬ個体が増えた。免疫に関わる物質のインターフェロンをつくる反応が低下し、症状の悪化につながったとみられる。DOCK2の働きのほか、関連する代謝物などの分析を組み合わせれば、患者が重症化するか予測できるようになる可能性もあるという。

新型コロナの重症化リスクには様々な要因が関わる。例えば女性よりも男性の方が重症化しやすい。男女で遺伝子の働きや免疫反応が異なることが影響するとみられる。高齢者のほか糖尿病や肥満の患者なども重症化しやすく、遺伝的要因のみでリスクの大小が決まるわけではない。

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