INPEXが初の自社株買い700億円 油価上昇で

INPEXは5日、同社として初の自社株買いを実施すると発表した。発行済み株式数の5.48%にあたる8000万株を上限に実施する。取得額は最大700億円。同日、原油価格の上昇で2021年12月期の業績予想を上方修正した。年間配当と自社株買いを合わせた「総還元性向」は6~7割程度を見込む。
自社株の取得期間は11月8日から22年1月31日まで。石油資源開発が保有するINPEX株の一部などを買い取る。21年12月期の連結最終損益は1850億円の黒字(前期は1116億円の赤字)を見込み、従来予想から150億円増える。原油価格の前提は1バレル65.1ドルから69.7ドルに見直した。
オーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業「イクシス」稼働もあり、21年12月期のフリーキャッシュフロー(FCF、純現金収支)は約4200億円と過去最大となる。同日決算発表した橘高公久・取締役は「FCFが増えようやく安定して配当を出せるようになった。今後は業績に応じて自社株買いを使い分ける」と話した。
年間配当は40円(前期は24円)とする従来予想を据え置いた。

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