三菱重工、4~6月純利益52%増 円安寄与

三菱重工業が5日発表した2022年4~6月期の連結純利益(国際会計水準)は前年同期比52%増の191億円だった。円安の進行による為替差益が寄与した。市場が縮む石炭火力事業で欧州拠点のリストラを進めた費用がかさむなどして、本業のもうけを示す事業利益は3割減った。
売上高にあたる売上収益は2%増の8713億円、事業利益は30%減の149億円だった。フォークリフトやエアコンなど量産品の販売が伸びたものの、材料費や輸送費の高騰が利益を削った。火力発電事業では、前年同期に好採算の工事があった分の反動減があったのも響いた。欧州では今後1~2年で人員を従来の4分の1に減らす計画という。

23年3月期通期の業績見通しは据え置く。足元の受注環境は鉄鋼メーカーの旺盛な設備投資を受け、製鉄機械の四半期受注高が1389億円と過去最高を記録した。好調な分野はあるものの「第2四半期以降は必ずしもそうではない」(小沢寿人最高財務責任者=CFO)と慎重な見方を示す。
5日、脱炭素に向けた資金を調達するトランジションボンド(移行債)を9月上旬に発行すると発表した。5年債で発行額は100億円。二酸化炭素(CO2)を出さない水素燃料のガスタービンやCO2回収技術の開発に充てる。
(川崎なつ美)
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