緑内障をスマホゲームで早期発見 東北大、アプリ開発
東北大学と仙台放送は緑内障の早期発見に役立つスマホ用アプリを開発した。シューティングゲームを楽しみながら視野を判定する。緑内障は中途失明の主な要因だが、進行するまで自覚症状が出にくい。手軽に気付けるようアプリで支援していく。

ゲームは隕石(いんせき)が画面中央を動くとともに、白く光る星があちこちにランダムで出現する。ボタンを押してレーザー砲で隕石を壊し、星を認識したら「キャプチャー」ボタンを押して得点を稼ぐ。
緑内障の従来の検査は、目の位置を動かさないようにして視野が欠けているか判定する。開発したゲームはこれを楽しみながらできるよう再現した。画面中央の隕石を注視しつつ、周辺で光る星に反応できるかを評価することで視野の状態を調べる。
7月11日付で特許を取得した。今後は改良を加え、実用化を目指す。目を酷使する職場で健診前のスクリーニングとして使ったり、ゲームに組み込んだりと様々な用途を想定する。
緑内障は部分的に視野が欠ける病気で、進行すると霧がかかったようになる。早期発見すれば進行をほぼ抑制できるが、放置すると失明につながる。日本人の中途失明原因の1位だ。東北大学の中沢徹教授は「緑内障による失明は社会問題になっている。ゲームという遊びのなかで発症への気付きを促したい」と話す。