/

しまむら、在庫管理徹底で復調 前期最終益2倍 

コロナ下で売り上げが回復している

しまむらが5日発表した2021年2月期連結決算は、純利益が前の期比99%増の261億円と4期ぶりの最終増益に転換した。商品を素早く並べて売り切る在庫管理の徹底で、前の期までの収益悪化の主因だった値引き販売や在庫のだぶつきを減らした。業績悪化は止まったが、国内事業の拡大余地は小さい。カジュアル化の流れを追い風に成長を持続できるかが問われる。

「短納期生産や在庫抑制を進めてきたことに加え、肌着などの販売が想定より好調だった」。決算会見で鈴木誠社長は好業績の理由をこう説明した。前期の売上高(営業収入を含む)は前の期比4%増の5435億円、純利益は約2倍になるなど、新型コロナウイルスがアパレル企業を苦しめる中で増収増益を確保した。

業績急回復の主因はコロナ感染拡大下でも進めてきた短期生産だ。従来3カ月ほどかかっていた発注から販売までの期間を、取引先や工場と連携して最短40日に縮めた。人件費が安い東南アジアでの生産を増やしてきていたが、トレンド商品を短期生産できる中国に生産を少しずつ戻してきた。

人件費が高い中国にシフトすると、原価率上昇が収益を圧迫しそうだが、主力のしまむら事業の粗利益率は33.1%と1.2ポイント改善した。改善の理由は商品を仕入れて販売するまでの棚卸し資産回転日数に表れている。2月期末の棚卸し資産は506億円と前年同期(516億円)に比べて2%減った。棚卸し資産回転日数は34・3日で、前の期から1・4日短縮。8年ぶりの改善となった。

回転日数が短縮していることは、在庫のだぶつきを抑えつつ、店舗の品ぞろえの鮮度を高める施策が奏功していることを表す。これまではシーズン初めに大量に商品を投入し、徐々に売って最終的に値引きして消化することが多かった。売れ行きを見極めながら細かく生産の発注ができることで、売れ残りを減らして値下げ販売を抑えられることが利益率の改善につながっている。

「在庫管理はまだ改善の余地がある」と鈴木社長は語るが、今期の純利益は微増にとどまる見通し。新型コロナが長引く影響を考慮したためだが、JPモルガン証券の村田大郎氏は「巣ごもりの追い風は弱まり、今期はゼロ成長になるだろう」と指摘する。

同日発表の中期経営計画では若者向け店舗「アベイル」や子供用品の「バースデイ」などの業態の拡大で成長を目指す。収益悪化に歯止めをかけたしまむら。次の課題は国内事業のトップラインの拡大といえそうだ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン