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JAL、450億円最終黒字へ 国内線ほぼコロナ前水準に

23年3月期、復配を目標 25年度に純有利子負債ゼロ

日本航空(JAL)は6日、2023年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が450億円の黒字(前期は1775億円の赤字)になりそうだと発表した。国内線の需要が新型コロナウイルス禍前の水準にほぼ回復し、3期ぶりに黒字転換すると見込む。今期末までの復配と26年3月期末をメドに純有利子負債をゼロにする方針も明らかにした。ただ、新たな変異型の拡大や、燃料高による業績の下押し圧力など不透明要素はなお残る。

今期の連結売上収益は前期比2倍の1兆3900億円、本業のもうけを示すEBIT(利払い・税引き前損益)は800億円の黒字(前期は2394億円の赤字)と見込む。売上収益は新型コロナ禍が本格化する前の20年3月期とほぼ同水準となる。

「JAL」ブランドの国内線旅客数が通年で19年度(20年1~3月はコロナ禍の影響除く)の90%程度、7~9月期以降は約95%とコロナ前と同水準まで回復すると見込む。国際線は通期で45%程度まで回復すると見込む。前期は19年度実績比で国内線が45%、国際線が10%だった。赤坂祐二社長は同日の会見で「昨年のように(需要が)波を打つのではなく、力強く回復する段階に入ったのではないか」と述べた。

ANAホールディングス(HD)は今期の「ANA」ブランドの国内線旅客数を19年(1~12月)比80%、国際線は同35%と想定している。JALによれば、同社は新型コロナの再拡大やウクライナ情勢により回復ペースが見通しにくい中国線や欧州線の比率がANAよりも低い。国際線の路線網の違いが想定の差に影響した可能性があるという。

JALは同日、21年に発表した中期経営計画を修正した「ローリングプラン」も公表した。22年3月末に約4300億円だった純有利子負債を、26年3月期末をメドにゼロとする計画。菊山英樹最高財務責任者(CFO)は「年平均で1000億円程度減らしていくイメージだ」と話した。負債と現預金のバランスの想定は明言しなかった。

26年3月期のEBITは1850億円以上(コロナ影響を除く20年3月期実績は1320億円)を目指しているが、コロナ前は7割を占めた「JAL」ブランドのフルサービスキャリア(FSC)事業と貨物・郵便事業の割合を55%に下げ、マイルなど非航空事業を全体の35%、格安航空会社(LCC)を10%とする方針も示した。FSCへの依存度を下げ、航空需要の急変に強い体質をつくる。

もっともコロナ禍は長期化しており、計画通りに業績回復が進むかはなお不透明だ。22年1~3月期はオミクロン型の感染拡大を受けて、売上収益は前四半期比1割強少ない1842億円と4四半期ぶりに前四半期から減少した。

1~3月期は米大手3社や独ルフトハンザも売上高が前四半期から減り最終赤字となるなど、日米欧の航空大手の業績回復は足踏みした。ロシアのウクライナ侵攻などで原油価格も上昇し、航空燃料に使うケロシン(シンガポール市場)は直近で1バレル140~150ドル前後と、20年度の3倍の水準まで高騰。世界的なインフレで企業業績が圧迫され、景気の減速懸念も強まっている。

JALやANAHDは国内線使用分の燃料費について金融商品でヘッジしており、米国勢ほどの影響はない。ただ、国際線はヘッジせずに燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の上乗せで燃料高を吸収しており、サーチャージ高騰が需要を下押しするおそれもある。

政府が6月をメドに外国人観光客の新規受け入れを再開する調整に入るなど明るい材料もあるが、全体でコロナ前の水準に需要が回復する時期はなお見通せない。

(松本萌)

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