小田急と西武、運賃一律10円値上げ バリアフリー推進

小田急電鉄は4日、2023年3月ごろから小田急線全線で運賃を一律10円値上げすると発表した。国土交通省がホームドア設置など駅のバリアフリー化を促すために鉄道料金制度を見直したことを受けた措置。西武鉄道も同日、全線で10円の値上げを実施すると発表。両社は運賃の増収分で整備費用の一部をまかなう方針だ。
小田急では、32年度までに小田原線の新宿―本厚木間の全駅などでホームドアを設置するほか、エレベーターや運行情報案内設備の更新を進める。ホームドアは22年8月時点で下北沢駅など7駅で導入が完了。総整備費は約627億円かかるとしている。
23年3月ごろから、大人1人あたり運賃を一律10円上げる。小児料金はICカードの場合、現在の一律50円を据え置く。きっぷの場合は、現行の大人料金に10円上げた金額の半額とする。同社は運賃値上げにより33年3月までの10年間で476億円の増収になるとしている。

西武では、30年度末までに全体の3割強にあたる28駅84番線でホームドアの設置を目指す。22年3月時点では6駅22番線にとどまる。エレベーターの整備などと合わせて30年度末までに557億円の整備費がかかるとしている。
国交省は21年12月、駅の段差解消やホームドア設置などの整備費用をまかなう目的で現行料金に一定額を上乗せすることを認めるよう制度を改正。22年から事業者の届け出を受け付けており、JR東日本や東京地下鉄(東京メトロ)などが申請している。

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