鉄連、30年度にCO2排出30%減 13年度比で
日本鉄鋼連盟(鉄連)は4日、2030年度の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度比で30%削減する目標を公表した。従来は30年度に05年度比で900万トンを削減する目標を掲げていたが、高炉大手が進める設備集約など外部環境の変化を踏まえ、新たな目標を設定した。
鉄鋼業は現在の主流の高炉法という製造方法で、石炭由来のコークスを使うために大量のCO2を排出している。一方で、日本製鉄やJFEスチールが高炉休止を中心とする合理化策を進めており、国内の粗鋼生産量は縮小する見通しだ。鉄連はこうした生産変動に伴い、CO2排出量は30年度に13年度比で約3400万トン減るとみる。
さらに電炉の原料などに使う鉄スクラップの利用拡大も新目標の算出には盛り込んだ。リサイクル材であるスクラップは環境負荷が小さい。足元で輸出しているスクラップを全量、国内で利用した場合は約850万トンのCO2削減の効果があるとみる。こうした点を積み重ねることで、鉄連は13年度比で30%にあたる、約5790万トンのCO2排出削減を30年度に目指す。