東芝再編まとめ読み JIPが買収提案、交渉大詰め

東芝の再編を巡って、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が2022年秋に正式な買収提案をしました。全ての東芝株を買い取って非公開化することを軸としています。交渉は大詰めを迎えていて、今後は東芝の取締役会や大株主がJIP案を受け入れるかが焦点となります。

JIPが正式提案
JIPが東芝に正式な買収提案を出したのは22年11月でした。東芝は22年4月に再編案の公募を始め、JIPは1次、2次入札を経て優先交渉権を得ていました。当初は官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)との連合で2次入札に進んでいましたが、JICとはその後、連合を解消して個別で応札していました。
国内企業が出資
東芝の買収に必要な資金は2兆円規模とみられています。JIPは大半を国内企業による出資や銀行の融資で賄う計画です。ロームやオリックス、中部電力など約20社が計1兆円規模を出資する意向で、銀行も融資の検討を進めています。
業績悪化が交渉に影響も
交渉は大詰めを迎えています。ただ、世界経済に減速懸念が強まるなか、東芝の業績も悪化しています。成長可能性に不透明感が出ていて、買収額が当初の想定額に届かない可能性もあります。東芝の取締役や株主の判断に注目が集まります。