Telexistence、物流ロボを実証実験 24年にも商用化へ

ロボット開発のTelexistence(テレイグジスタンス、東京・中央)は4日、物流向けロボットが倉庫の荷物をケースに隙間無く積めるか実証実験した。川崎市にあるニチレイ傘下のニチレイロジグループの倉庫で実施した。正確性と積む速度などの課題を洗い出し、2024年までに商用化を目指す。
テレイグジスタンスは物流向けロボットが人手不足の解消、隙間なく効率的に積めることでコスト削減につながるとみる。一方で全自動のロボットは隙間をつくらず荷物をケースに積むのが技術的に難しく、結果的に配送ケースが増えてコストが膨らむ懸念があるという。
同社のロボットはアームで荷物をつかんだ後、隙間なく荷物を配置できるのが特徴だ。仮想現実(VR)ゴーグルを装着した人間がロボットに付属したカメラの映像から遠隔で操作し、配置場所を見極められる仕組み。
商用化までには課題も多い。複数ロボットを効率的に操作し時間短縮したり、一連の作業で人の関わりを最小限にしたりする効率性が求められる。バッテリーの関係から現状は稼働時間も限定的という。富岡仁最高経営責任者(CEO)は「ハードウエアとソフトウエアを2年かけて最適化していく」と語った。
今回の実験は冷蔵エリアで、温度2度ほどの環境で実施された。ニチレイロジグループは「労働力不足の解消や作業員のストレス軽減に向け、人とロボットのハイブリッドな作業が必要になる」と期待を寄せる。テレイグジスタンスは今秋、センコーグループホールディングス傘下のセンコーの物流施設でも実証実験する予定だ。
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