日立、仏タレスから鉄道信号事業買収 2150億円で
日立製作所は4日、仏電子機器大手タレスから鉄道信号事業を買収すると発表した。買収金額は16億6000万ユーロ(約2150億円)としているが、さらに詰める。タレスの信号事業はデジタル関連技術に強みを持ち、日立は移動をサービスとして提供する「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」事業を強化する。

日立の鉄道システム子会社の日立レールが2022年度後半までに買収する。日立の20年度の鉄道事業の売上高は5477億円だった。買収をテコに移動サービスなどの事業領域を拡大し、2026年度に1兆円を目指す。
タレスの鉄道信号事業は世界42カ国に9000人の従業員を抱える。20年の売上高は16億ユーロだった。幹線鉄道や都市鉄道向けの信号システムほか、運行管理や人流解析、料金収受システムに強みを持つ。売上高の約5割がデジタル関連事業だ。
日立はあらゆるモノがネットにつながるIoT技術を成長戦略の柱に据え、エネルギーやインフラ事業へのデジタル技術の導入を進めている。小島啓二社長は「鉄道事業ではデジタル技術が足りない」としており、同分野でのM&A(合併・買収)を模索していた。