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インバウンド再興の年に

SmartTimes WAmazing代表取締役社長CEO 加藤史子氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

1976年、団塊ジュニア世代の最後として生まれ、そこそこに多い同年代の子供たちと受験競争を戦いながら成長し高校生になった私は華やかな女子大学生生活に心底、憧れていた。地方在住で、公務員の父、専業主婦の母の元、官舎に住む私には「バブル経済」は遠い世界の話だったのだ。

晴れて憧れの女子大学生になった時、世間のブームは女子高校生に移っていた。いわゆる「コギャルブーム」である。1994年、公衆電話をブラインドタッチして軽やかにポケベルを操る高校生を横目で見つつ、初めてのパソコンでインターネットに触れた。慶應大学環境情報学部は「華やかな女子大学生生活」とは対極ではあったがインターネット環境が最先端で授業の予約もレポートの提出もネット経由。まだWindows95の発売前であった。

1998年、超・就職氷河期の中、入社した会社はリクルート事件により残された1兆8000億円もの有利子負債を必死に返済する最中だった。当時の社員数は1万数千人だったから入社時点でざっと社員1人あたり1億円ぐらいの借金があったことになる。気が付けば私たちには失われた世代という意味で「ロスジェネ世代」という名前がついていた。

雑誌「じゃらん」のインターネット版立ち上げ構想を聞きつけ希望異動した2000年、現・じゃらんnetを立ち上げた。長い平成不況の中、ここが私のフロンティアとなった。前年の1999年にはiモードが登場し携帯でインターネット利用ができるようになり一部のビジネス層に限定されていたインターネット利用者は女性や若者にも拡がっていった。

日本のインターネット人口の拡大の黎明期に新規事業に携われたこと、学生時代、世間より早くインターネットの本質的価値を肌で感じていたことは自分にとって幸運だったと思う。

第1子の出産後、今までのような長時間労働はできないことを悟った私は短期的な成果よりも長期に取り組むことができる地域活性部門の研究員を希望した。希望がかない、試験的導入であった「在宅勤務」という働き方で職場復帰を果たした2008年、観光による地方創生を実現するための専門省庁として「観光庁」が設立される。以後、観光庁予算は一貫して増加し続けている。

ここもまたフロンティアであったのだ。その一方で人口減少する国内市場のみの地方創生に限界を感じていた2015年、訪日外客数は前年比47.1%増の1973万超となり日本が統計を取り始めた1964年以降、最大の伸び率となる。2016年インバウンド向けスマホ上の旅行会社、WAmazingを創業し独立起業した。

足元はコロナ禍で実質ゼロであるが、私たちは間違いなくフロンティアに立っている。2022年は必ずやインバウンド観光再出発の年、WAmazingにとっては第二創業の年となるだろう。

[日経産業新聞2022年1月12日付]

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