中国サッカー協会、給与未払いで罰則 降格や失格処分も

親会社の経営不振から中国のサッカークラブで選手への給与未払いが起きている問題で、中国サッカー協会などは未払いに対する罰則を設けることを決めた。2022年末までに完済できなかった場合、クラブのリーグ降格や失格処分にするという。ただ問題となるクラブの親会社は経営再建中の不動産企業が多く、罰則規定が抑止につながるかは不透明だ。
中国国営の新華社通信によると、同協会は各クラブに対し、22年は新たな給与未払い問題を発生させてはならないと求めた。21年シーズンまでの給与未払いについては、年内までに段階的に期限を設けて支払うように求め、支払えなかった場合は新規選手の登録ができないほか、降格やリーグ参加資格の取り消しなどの処罰が下される。
中国ではサッカーはバスケットボールや卓球などと並ぶ人気スポーツの一つ。中国恒大集団や中赫集団といった不動産企業は自社ブランドの浸透を狙って国内クラブの親会社として名を連ね、海外の有名選手を厚待遇で迎えるなどしてチームを強化していった。
ただ、中国政府が不動産業界に対し、企業の財務監視や金融機関による融資の厳格化などの締め付けを進めた結果、こうした企業の多くは資金繰りに窮した。親会社からの資金注入が細ったことに加え、新型コロナウイルスによるチケット販売や放映権収入などの減少も重なり、クラブが選手やコーチらに給料を支払えないケースが相次いでいる。