百貨店大手5社、12月は全社増収 初売りも前年上回る - 日本経済新聞
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百貨店大手5社、12月は全社増収 初売りも前年上回る

三越伊勢丹ホールディングスなど百貨店大手5社が発表した2022年12月の既存店売上高(速報値)は、全社が前年同月の実績を上回った。ハンドバッグなどの高額品が引き続き好調だったのに加え、政府の水際対策緩和を受けてインバウンド(訪日外国人)客の売り上げが伸びた。

12月の既存店売上高は三越伊勢丹が前年同月比14.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急阪神百貨店が同10.2%増、J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が同9.5%増えた。高島屋は同4.6%増、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は同1.6%増だった。

3年ぶりに新型コロナウイルス下の行動制限がない年末となり、外出に関連した商品の売り上げが幅広く伸びた。クリスマスケーキや帰省用の手土産など季節商品を求める人が増え、そごう・西武では食品の売り上げが新型コロナ禍前の水準を上回った。12月に入って一段と冷え込んだこともあり、コートやダウンジャケットなどの重衣料の動きも活発だった。

政府が22年10月に水際対策を緩和したことで、12月の免税売上高も大幅に伸びた。大丸松坂屋が前年同月比10.8倍、三越伊勢丹が同6.9倍、高島屋が同4.7倍、そごう・西武が同2.3倍だった。円安の進展も追い風に、三越伊勢丹では高価格帯のハンドバッグが売り上げを伸ばした。新型コロナ前の訪日客消費をけん引していた中国からの渡航者は限定的なものの、韓国や東南アジア、欧米からの旅行者が土産物などを買う需要が底堅かった。

23年1月の初売り商戦では、大丸松坂屋と高島屋の2~3日の売り上げがともに前年比約1割増えた。足元の物価高を受け、高島屋では食料品や靴下など身の回りの日用品の福袋など「お得感」のある商品が前年以上に人気を集めた。多くの百貨店で、高価格帯の婦人コートなどが割引なしで購入されるケースが見られた。

初売りの売り上げは前年を上回っているものの、新型コロナ前の水準には戻っていない店舗が大半だ。国内景気の先行きに不透明感もあるなか、上向きつつあるインバウンド消費の取り込みも急務となる。

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