日立、イタリアで高速鉄道車両を受注 597億円

日立製作所は4日、イタリアの鉄道会社、フェノヴィノルドから高速鉄道車両を50編成受注したと発表した。受注額は4億5185万ユーロ(約597億円)。イタリア国内の2工場でつくり、2022年10月から2年かけて納入する。走行時に二酸化炭素(CO2)を出さない移動手段として鉄道の需要は拡大しているといい、海外市場を開拓する。
受注した車両は2階建ての4両編成と5両編成の高速鉄道向け。主要都市のミラノが位置するロンバルディア州を走行する。同州では222編成の列車を導入する車両更新の計画を掲げている。日立は既にフェノヴィノルドから55編成を受注しており、今回は追加となる。
納入する車両は前方や側方にカメラを設置するほか、走行データをもとに機器の故障の予兆を見つけ出すシステムを導入するなど安全性を高める。車両の軽量化などで電力消費量を30%減らす。
日立はCO2排出が少ない移動手段となる鉄道を成長事業の一つに据えている。15年に鉄道車両を手掛けるイタリアのアンサルドブレダ、信号などを手掛けるアンサルドSTSを買収し、欧州中心に拡大してきた。8月には仏電子機器大手タレスの鉄道信号事業を買収することを決めた。