ヤマトHDの23年3月期、営業益21%減に下方修正 - 日本経済新聞
/

ヤマトHDの23年3月期、営業益21%減に下方修正

ヤマトホールディングス(HD)は6日、2023年3月期の連結営業利益が前期比21%減の610億円になる見通しだと発表した。従来予想を140億円下回る。宅配便荷物の増加ペースは鈍り、単価は下がってきた。一方、配送の外部委託費などコストは膨らんでいる。傘下のヤマト運輸が同日発表した宅配便値上げを業績回復につなげられるかが焦点になる。

繰り延べ税金資産の計上などで税負担が減り、純利益は20%減の450億円を見込む従来予想を据え置いた。

売上高にあたる営業収益見通しは1%増の1兆8090億円と、従来予想を260億円引き下げた。電子商取引(EC)関連の宅配需要は旺盛で、取扱荷物数は増えている。ただ、物価高を背景に国内消費が盛り上がらず、22年10〜12月期の年末商戦での荷動きが想定より鈍かった。

国土交通省の宅配便統計によると、EC需要を追い風に21年度の宅配便荷物数は7年連続で過去最高を更新した。ヤマトは個数シェアで46.6%を占める最大手で、20年度に初めて20億個を突破、21年度には22億個を超えた。22年4〜12月は前年同期比4%増の約18億400万個で、3年連続で過去最多を更新するペースだ。

けん引するのは、自宅ポストで受け取れる小型荷物「ネコポス」だ。衣類や雑貨などを扱うフリーマーケットアプリの利用者からの引き合いが強い。加えて、アマゾンジャパンと連携した割安な配送サービスを提供し、EC需要を取り込んでいる。

こうした低価格路線が単価下落にもつながっている。宅配便荷物の平均単価は直近のピークだった19年度に676円だったが、21年度は614円まで下がった。

一方、足元では人件費や燃料費といったコストが増加傾向にあり、利益を圧迫している。ヤマトは20年に「EAZYクルー」と呼ぶ仕組みを導入し、EC関連の荷物の配送を外部ドライバーに委託している。23年3月期はEC配送での外部委託費として前期比82%増の469億円を見込み、従来予想から25億円積み増した。

コスト削減に向けた配送網改革として、小規模・多店舗展開していた宅配便営業所の集約やEC荷物の配送に特化した拠点の新設を急ぐ。ただ、栗栖利蔵副社長は6日の記者会見で「費用抑制は徐々に効果が出ているが、収入に連動したコストにしきれていない」と説明した。

今後の焦点は値上げの効果だ。ヤマト運輸は6日、個人が利用する宅配便の基本運賃を4月から平均約10%引き上げると発表した。4月から平均約8%の値上げを発表していた佐川急便に続く対応で、5年半ぶりの値上げとなる。

ヤマトは年度ごとに基本運賃を見直す方針も示した。ただ、荷物の9割は個別に価格設定しているEC大手などが占める。業績回復のためには、こうした大口顧客との価格交渉の成否がカギを握る。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません