三井化学の純利益14%減に下振れ、石化低迷 23年3月期
三井化学は3日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%減の950億円になる見通しだと発表した。従来予想を100億円下回る。中国経済の景気後退懸念を背景にプラスチック製品の需要が減少し、石油化学品の販売数量が落ち込む。ナフサなど原料価格下落に伴う在庫評価益の縮小も響き、石化事業が苦戦する。
売上高にあたる売上収益は18%増の1兆9100億円、コア営業利益は20%減の1300億円を見込み、それぞれ900億円、100億円の下方修正となる。価格転嫁が進み増収となる一方、中国での個人消費落ち込みによるプラスチック原料の需要減の影響を大きく受ける。
同日、オンライン会見した三井化学の中島一最高財務責任者(CFO)は「中国の需要が抑えられることで東南アジアなどでつくられる安い輸入品が日本に流入し、我々の製品の販売減につながっている」と話す。
前期に米寒波で急騰した高機能樹脂原料「ビスフェノールA」も、直近は需給軟化により市況が悪化傾向にある。新型コロナウイルス禍で増えた巣ごもり需要が一巡し、スマホ関連材料も出荷が減少。海外販売が増加し農薬事業は好調だったが、補えなかった。
一方、中島氏は石化製品の需要減について「減少は一時的」との見方を示す。「足元は中国のコロナの影響を大きく受けた需要減で、春節明けから解消していくのではないか」と述べた。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は、売上収益が前年同期比23%増の1兆4289億円、純利益が37%減の649億円だった。
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