東京ガスが浮体式洋上風力を検討 福島県沖で27年にも
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東京ガスは3日、福島県沖で浮体式洋上風力発電の検討を本格化したと発表した。最大出力は3万キロワットで、2027年の運転開始を目指す。年間約2万世帯に相当する電力を固定価格買い取り制度(FIT)で売電する。風車を海上に固定しない「浮体式」は、30年代に向けて普及が見込まれている。
環境影響評価(アセスメント)を実施し、同日付で経済産業相に届け出た。総事業費は未定。出資する米スタートアップのプリンシプル・パワーの技術を使う。同社は風車が安定しやすい「セミサブ」式の浮体式技術に優れ、ポルトガルで運転実績がある。東ガスは福島県の条例に基づき開発を進める。
国内では福島県のほか、千葉県や茨城県でも洋上風力を検討している。茨城県鹿島港の港湾区域では出力16万キロワットの洋上風力を稼働させる計画で、24年度に着工する。

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