UBEが19年ぶり最終赤字、23年3月期 配当5円下方修正
UBE(旧宇部興産)は3日、2023年3月期の連結最終損益が60億円の赤字(前期は245億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来の黒字予想を80億円下回り、一転、19年ぶりの最終赤字になる。ナイロン原料など樹脂製品が落ち込み、セメント事業を手掛ける持ち分法適用会社の赤字も響く。配当は年95円(前期は95円)と従来計画から5円引き下げる。
売上高は前期比23%減の5060億円、営業利益は55%減の200億円を見込む。それぞれ410億円、90億円の下方修正だ。
ナイロン原料など樹脂・化成品事業の落ち込みが大きく、事業別営業利益を85億円下方修正した。中国のゼロコロナ政策による需要急減で販売が減少。他地域でも需要減による安値販売を余儀なくされ、採算が悪化する。藤井正幸最高財務責任者(CFO)は「1〜3月も大きな回復は見込めない」と話す。
営業外では昨年4月に分社化し持ち分法適用会社にしたUBE三菱セメントの業績悪化が響く。セメント業界では燃料の石炭の高騰が収益を圧迫しており、工場の稼働停止や値上げを進めるが補い切れていない。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は、売上高が前年同期比23%減の3683億円、最終損益が11億円の赤字(前年同期は180億円の黒字)だった。
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