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Zホールディングス、在宅勤務や電子化推進

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
ネット通販のアスクルは4月にオフィスを刷新した。完全個室型ブースを導入している

Zホールディングス(HD)はグループ全体で新型コロナウイルスの感染収束後も見据えた「新常態」の働き方への移行を進める。傘下のヤフーやネット通販のアスクルは2020年から在宅が前提の勤務体制とし、環境整備をしてきた。紙書類の電子化やオフィスの改善にも取り組み、新たな働き方の定着を模索する。

民間企業との契約手続きを電子化

ヤフーは民間企業との契約手続きを電子化するなど、従業員が出社しなくても円滑に業務を進められる体制の構築を進めてきた。すでに在宅勤務の回数制限を廃止した勤務形態を採用している。ほかにもグループでオフィスを共有するなど、新たな働き方へ移行しつつある。

具体的には民間企業などと契約を結ぶ際に必要な押印の手続きを、3月時点で初めて全て電子化した。「21年3月末までに民間取引先との契約手続きを100%電子サイン化する」との目標を20年5月に掲げ、実現した。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型の電子署名サービスの世界最大手である米ドキュサインのサービスを導入し、活用範囲を徐々に広げていた。

電子サインの採用は契約を結ぶ相手先との同意が必要になる。ヤフーは1月時点で計76の企業や事業所の協力を得ていた。パソコンなど情報端末上で契約書類に電子サインとして署名することで、押印と同等の法的拘束力を持つと説明する。結果的に契約1件にかかる印刷代や郵送などの経費を7割減らした。

コロナ禍による外出自粛を受けて、在宅勤務も推奨している。20年7月には出社率を約5%まで抑えた。「ビデオ会議やコミュニケーションツールを活用し、在宅でもスムーズに情報共有できる仕組みになってきている」(ヤフー社員)。在宅勤務の比率は現在まで9割程度を維持する。

LINEは時差通勤を推奨

3月にZHDと経営統合したLINEは20年2月から、フレックスタイム制度を導入した。コアタイム(勤務必須の時間帯)を午前11時~午後4時に設定することで、ラッシュの時間帯を避ける「時差通勤」を推奨している。チームごとに在宅勤務の頻度を選べるようにした。

取引先との契約や請求書の業務の電子化も進める。20年5月に全ての契約で電子契約を締結できるようにした。21年7月には取引先から送られてくる請求書について、電子請求書を導入している。在宅勤務でも円滑に業務ができるように、取引先へ協力を呼びかける。

アスクルは一部の職場を除いて、20年2月から原則テレワークとした。月曜日は午前9時~午後2時、火~金曜日は午前10時30分~午後3時30分までとしていたコアタイムを1月に撤廃した。出社は月最大6日以下にしている。本社に勤務する社員約800人のうち、7月の出社率は2割程度となっている。

4月には東京・江東の本社オフィスを刷新した。フリーアドレス制を採用し、オフィス内にいる従業員の位置情報を共有するアプリも導入した。社員が出勤しているかどうかを調べ、オフィス内での現在地を特定できる。固定の座席が廃止され出社頻度が低下するなか、話がしたい相手を探すのに役立てている。

オンライン会議の普及に合わせた環境も整備する。完全個室型ブースや、吸音効果のある仕切りを使った半個室スペースを設置した。オフィス内の会話音や雑音を遮断し、周囲に音声が漏れることもないので会議に集中しやすくなる。

衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOも原則、在宅勤務となっている。コロナ収束後は出社頻度を週2日とする予定だ。「社員同士の対面でのコミュニケーションも引き続き重要だ」(同社)といい、出社を求める機会は一定数確保する。2月には千葉市の西千葉エリアに本社を移転した。出社頻度を減らしたことで必要な面積が減り、オフィス規模を縮小したと説明する。

ZHDはグループ会社の従業員が利用できる共有のオフィススペースを東京・千代田の本社に設けている。

利用対象者の範囲を広げ、直接広くコミュニケーションできる場として活用する。場所を選ばない働き方を推進しつつ、従来の価値観にとらわれないオフィスのあり方も模索する。

(伊藤威)

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