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ペプチドリーム、富士フイルムの放射性医薬品事業買収

創薬スタートアップのペプチドリームは2日、富士フイルムホールディングス子会社の富士フイルム富山化学から放射性医薬品事業を買収すると発表した。買収額は305億円を見込む。ペプチドリームはたんぱく質の一種「ペプチド」の創成技術を持ち、放射性医薬品と組み合わせることでがんなどの新たな治療法の開発を目指す。

富士フイルム富山化学が同事業を会社分割して新会社に継承し、ペプチドリームがその全株式を取得する。2022年3月に手続きを完了する。富士フイルム富山化学から約500人が新会社に移籍する。

買収には手元資金やブリッジローン(つなぎ融資)を活用する。一時金305億円に加え、事業の進捗に応じた対価(マイルストーン)を追加で支払う可能性がある。

ペプチドリームは体内の狙った部分にくっつくペプチドの創成に強みを持ち、ペプチドと別の薬物を組み合わせる「ペプチド薬物複合体(PDC)」による新薬の開発に取り組んでいる。一方、放射性医薬品はがん治療などの分野で市場拡大が見込まれており、買収を通じて事業領域の拡大を目指す。

例えば、ペプチドと放射性元素を結合させて体内のがん組織だけに放射性元素を集積させ、がんの診断や治療に使えるようにする。まず強度の弱い放射性元素を患部に届けてがんを可視化し、次に強度の強い放射性元素をがんだけに集めてピンポイントで攻撃する「セラノスティクス」と呼ばれる治療などへの応用を目指す。

富士フイルム富山化学は創薬だけでなく、臨床試験(治験)や製造販売までを手掛けているため、新たに開発する医薬品を商用化しやすくなる効果も見込める。両社が国内外に持つ提携先を生かした事業開発も進めるという。

富士フイルムは06年に放射性医薬品事業に参入した。子会社の富士フイルム富山化学が甲状腺がんや悪性リンパ腫など向けに、診療用と治療用の放射性医薬品を手掛けてきた。同事業の21年3月期の売上高は132億円で、22年3月期は155億円を見込む。

富士フイルムはヘルスケア事業に積極的に投資する一方で、1月末に再生医療子会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)の株式売却を発表するなど選択と集中を進めている。今後は成長事業に位置づける医療機器やバイオ医薬品の開発製造受託(CDMO)、創薬支援などに経営資源を集中する方針だ。

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