日野自、23年3月期最終赤字550億円 22年ぶり無配転落

日野自動車は2日、2023年3月期の連結最終損益が550億円の赤字(前期は847億円の赤字)の見通しと発表した。エンジン不正関連の特別損失が膨らみ3期連続の最終赤字となり、年間配当は01年3月期以来、22年ぶりの無配(前期は10円)になる。燃費不正をめぐる顧客への補償額は算定中で含めておらず、特別損失がさらに拡大する可能性があるとした。
現時点の見通しでは前期比で最終赤字が縮小するが、中野靖最高財務責任者(CFO)は「燃費不正の補償額を合理的に算定できておらず、今期中に開示を目指す。(最終赤字は)悪化する可能性がある」と述べた。日野工場(東京都日野市)の一部敷地の売却益も今期中の契約が未定で、織り込んでいない。
売上高は前期比3%増の1兆5000億円と従来見通しを300億円引き下げる。インフレや金利上昇でアジアの需要が下振れし、トラック・バスの世界販売台数は7%減の14万5千台と1万2千台引き下げた。営業利益は65%減の120億円と従来予想から60億円引き上げた。為替の円安や固定費削減で国内外の販売減を補うと見込む。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は最終損益が237億円の赤字(前年同期は188億円の黒字)だった。不正関連の特別損失を284億円計上した。営業利益は前年同期比49%減の256億円、売上高は4%増の1兆1103億円だった。
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