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新電力2割が事業停止、東北電力系も破産申請 燃料高で

(更新)

燃料高の影響で電力の小売事業に新規参入した新電力の経営が厳しさを増している。帝国データバンクによると、11月下旬時点で新電力の約2割が事業からの撤退などに追い込まれた。東北電力東京ガスが折半出資する新電力も5日までに東京地裁に破産を申請した。電気の調達コストが急増し、大手電力系でも事業が立ちゆかなくなっている。

東北電力と東京ガスが出資するシナジアパワー(東京・台東)は11月末で小売事業をやめ、1日に破産申請した。負債総額は約130億円。2021年度に28億円の最終赤字となり、4月から新規契約の受け付けを停止していた。

販売量は21年度で約34億キロワット時と新電力ではNTT系などに次ぐ13位。22年8月時点で1200件超の契約があった。販売する電気の15%を電力の卸市場から購入しており、調達価格の高騰で採算が悪化した。

帝国データバンクによると、11月28日時点で新電力の約2割にあたる146社が撤退や倒産などで事業停止に追い込まれた。

撤退は3月末の3社から33社に急増し、倒産や廃業も22社と6割増えた。電気の需要が増える冬場を前に事業を終える動きが相次いでいる。

有力企業の関連会社でも事業を停止する動きが目立つ。NTTドコモは11月に家庭向けの電気販売事業「ドコモでんき」の新規契約の受け付けを一時停止した。

ウクライナ危機などにより火力発電の燃料となる天然ガスや石炭の価格が高騰している。電力市場で売買される電力の価格も高値が続く。日本卸電力取引所(JEPX)のスポット(随時契約)取引の平均価格は5日時点で1キロワット時当たり約22円と前年同期に比べて約6割高い。

新電力は発電所を持たない企業が多く、電気を市場などから調達している。家庭や企業への販売価格よりも、調達価格の方が高く、電気を売れば売るほど赤字となる「逆ざや」の影響が深刻になっていた。新たな顧客の獲得を見送り、事業を縮小する動きが今春から目立つようになっていた。

電力大手は家庭向けの契約などで価格転嫁が遅れ、料金が割安な水準で据え置かれている状況が続いている。新電力は価格の安さが売りのため、大手への対抗上、調達価格の上昇分を販売価格に転嫁できず、採算が悪化する企業が増えている。

16年に電力販売が全面的に自由化され、異業種などから電力小売りへの新規参入が相次いだ。新電力は大手が独占していた顧客を切り崩し、電力販売量のシェアは約2割まで高まった。燃料価格の高騰は当面続くとみられている。自由化の象徴だった新電力の経営が転機を迎えている。

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