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航空2社の回復力に差、JALは営業赤字 10~12月決算

日本航空(JAL)が2日発表した2021年10~12月期の連結決算(国際会計基準)は、営業損益が318億円の赤字(前年同期は701億円の赤字)だった。国内線の旅客収入が回復したものの、営業損益が黒字転換したANAホールディングス(HD)と比べると貨物輸送の収入やコスト面で差が出た。もっとも新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、先行きの不透明感は両社ともに強い。

JALの10~12月期の連結売上高は前年同期比28%増の2078億円、最終損益は233億円の赤字(同514億円の赤字)となった。8四半期連続の最終赤字だが、赤字額は20年以降で最小で、四半期ベースの営業キャッシュフローは7四半期ぶりに黒字化した。

10月の緊急事態宣言の解除後に国内線の需要が回復し、国内旅客収入が前年同期比26%増えたことが大きい。国際線では旅客数の低迷が続く一方、貨物輸送は海上物流の混乱などを背景に需給逼迫が続いた。国際線貨物収入は525億円と前年同期比88%増となった。

もっともJALは10年の経営破綻を受けて貨物専用機を手放しており、専用機を保有するANAHDより業績回復が遅れている。ANAHDは21年10~12月期の国際線貨物収入を前年同期比96%増の993億円とし、連結営業損益が1億9千万円の黒字に転換した。貨物専用機は景気による損益変動が大きいが、コロナ下ではANAHDの戦略が奏功した。

費用面でも差が出ている。会計基準が異なるため単純比較はできないが、10~12月期の営業費用はJALが2449億円と前年同期比4%増えた一方、ANAHDは3%減の3067億円と売上高が回復する中で費用をさらに落とした。

両社とも前期は機材の早期退役を進めたが、全日本空輸(ANA)が21年3月末から12月末にかけて航空機を増やしていないのに対し、JAL本体は欧州エアバスの新型機「A350」の導入を進め機材を3機増やした。こうした中、ANAHDは10~12月の整備費が前年同期から減った一方、JALは増えた。機材戦略は減価償却費の大きさにも影響する。

賃金施策の違いも影響している。ANAは月例賃金のカットを実施しているほか、冬の一時金は支給を見送った。JALは賃金カットは行わずに冬の一時金は基本給の0.15カ月分を支給した。

もっとも年明け以降は、新たな変異型「オミクロン型」の感染拡大で再び需要の回復が鈍っている。JALの2月の国内線運航率(21年度計画比、便数ベース)は68%とし、5カ月ぶりに70%を下回る。JALは1~3月期の国内線需要がコロナ前の約90%、国際線は約20%まで回復すると想定していたが、1月の国内線旅客数は5割程度にとどまる。

JALの菊山英樹最高財務責任者(CFO)は1~3月期について「(国内線のコロナ前比)9割が難しいということは否定できない」と話した。4~12月期の貨物事業やコスト削減の規模は想定を上回ったことを踏まえ、1460億円の最終赤字(前期は2866億円の赤字)を見込む22年3月期通期の業績予想は据え置いた。今期の期末配当は無配とし、2期連続で年間配当をゼロとする。

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