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ZHD、純利益18%増 LINE統合効果は道半ば

ポイント軸に集客連携

ヤフーやLINEを傘下にもつZホールディングス(HD)が2日発表した2021年4~9月期の連結純利益(国際会計基準)は、前年同期比18%増の542億円だった。スマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」のポイントを軸にEC(電子商取引)の集客などグループ連携が進む。LINEの情報管理問題が響き、統合効果発揮は道半ばだ。

売上高にあたる売上収益は35%増の7509億円、ZHDが利益指標に据える調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は23%増の1871億円と、4~9月期で過去最高だった。巣ごもり需要で「ヤフーショッピング」などEC利用が広がり、物販のEC取扱高は10%増えた。

算入項目が異なり単純比較できないが、楽天グループの21年4~6月の物販分野の流通総額の成長率(3%)を大きく上回る。寄与したのがヤフーが19年10月に開設したECサイト「ペイペイモール」だ。衣料品通販「ゾゾタウン」運営のZOZOは19年11月のZHD傘下入り直後に出店するなど、4~9月期はペイペイモール取扱高が2.2倍の191億円まで伸びた。

傘下の各社が運営する通販サイトでも、ペイペイ決済でのポイント還元を高める施策や、立て続けの販促策で集客効果が高まっている。ZOZOは同期間で売上高と営業・純利益が過去最高となり、ZHD傘下のアスクルもペイペイモールでの取扱高が伸びた。ZHDの川辺健太郎社長は「サービス連携や相互送客を得意技として、LINEも加えて互いを補いたい」とさらに期待を込める。

ZHDの営業利益は18%増の1154億円だった。広告事業の拡大でLINE単体の営業利益が4四半期連続で黒字化し、4~9月期は約150億円を計上した。ZHDは22年3月期の業績予想を据え置いたが、ヤフーが東京拠点を4割縮小するほか、スマホ決済「LINEペイ」でペイペイとの統合による営業費用削減などに伴い、通期で100億円程度のコスト削減が見込めるとした。

ヤフーが出資するペイペイは2日時点で利用者が4300万人を超えた。決済手数料を10月から全面有料化した影響で「加盟店離れ」の懸念も浮上したが、決済に対応する計344万カ所のうち10月末時点の解約率は0.2%にとどまったという。「手数料はクレジットカードより極めて低く、離脱は軽微だった。店の使い勝手の良さも評価された」(川辺氏)

ZHDは銀行や証券など既存事業を「ペイペイ」ブランドに変更し、決済を軸に顧客の囲い込みを描く。一方でペイペイは相次ぐポイント還元策で赤字経営が続く。川辺氏は黒字化のメドは明言しなかったが「もう少し利用者を増やした上で、ビジネスモデルとして成立させる」と述べた。手数料やローンなど金融サービスにより、複合的に中長期で黒字化を目指す。

グループ連携が進む一方で、3月に統合したLINEを巡っては、中国の関連会社で日本の利用者の個人情報が閲覧できる状態になるなど情報管理を巡る問題が表面化。統合表明時に明らかにしたヤフーとLINEの利用者IDの連携は、当初想定より遅れて22年度以降に先送りした。一部サービスでは相乗効果の発揮が遅れている側面もある。

ZHDが設置した外部有識者による特別委員会は10月に公表した最終報告書で、LINEの情報管理について「経済安全保障への配慮ができず、見直す体制がなかった」と結論づけた。川辺社長は今後の対応について「データセキュリティーはサービス提供の前提であり社会的責務。グループ全体でガバナンス体制を一層強化していく」と述べた。

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