百貨店、1~3割増収も減速基調に 大手5社1月
百貨店売上高の伸びが減速基調になってきた。三越伊勢丹ホールディングスなど百貨店大手5社が1日発表した1月の売上高(既存店、速報値)は全社が前年同月実績を上回った。ただ、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大で、中旬以降売り上げが伸び悩んだ。下旬にかけて伸び率が縮小しており、消費回復の持続力が問われる。
1月の売上高は三越伊勢丹が31・2%増、高島屋が21・9%増、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武が19・7%増、J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が18・4%増、エイチ・ツー・オーリテイリングが15・9%増だった。21年1月が緊急事態宣言で売り上げが減少していた反動が大きかった。
中旬以降売り上げは減少傾向にある。三越伊勢丹は1月前半が前年比4割増、後半は2割増で、高島屋は前半が3割増、後半が2割増だった。「感染者が急増した中旬を境にマイナスになった」(三越伊勢丹HD)。大丸松坂屋は1月の入店客数は2割増だが「オミクロン型の拡大に伴って後半減少した」と話す。
高額品が売り上げをけん引しており、三越伊勢丹では客単価は前年比2桁増だった。各社の1月の売上高を20年1月と比較すると1~2割減だった。21年末にかけ勢いが出てきていたが、消費者の警戒は強く先行きに不透明感が残る。