NTT東系、社会人向けeスポーツリーグを新設
東京ゲームショウで発表
NTT東日本の子会社はゲーム対戦競技「eスポーツ」の社会人向けリーグを2021年度中に新設する。1日に国内最大のゲーム見本市「東京ゲームショウ2021オンライン」の公式番組で発表した。これまでゲーム業界がeスポーツの事業化を担ってきたが、拡大するゲーム人口と接点を持ちたい通信業界や商社など異業種からの参入が目立っている。

NTT東日本の子会社でeスポーツ関連事業を手がけるNTTe-Sports(東京・新宿)が「B2eリーグ」を新設する。同リーグでは参加者が勤務する企業名を明らかにしなくてもよく、参加のハードルを下げる。21年度内に最大5000人の参加を目指す。NTTe-Sportsの影沢潤一副社長は「社会人のeスポーツ文化を醸成したい。オンラインを中心に開催し、全国規模でeスポーツのコミュニティーをつくる」と強調した。
同社はNTT東西などNTTグループ4社を中心に出資し、20年に設立した。高速通信規格「5G」を地域限定で使える「ローカル5G」を活用して、大会などの通信環境を整備できるのが強みだ。20年6月には、大日本印刷(DNP)などと共同で企業対抗のリーグを開催。eスポーツを通じた企業間の交流を進めてきた。企業向けに社内交流のためのeスポーツイベントを運営するサービスも1日に始めた。成長が見込まれるeスポーツを通じて、全国の自治体や企業との連携を深める。
eスポーツへの異業種からの参入が相次いでいる。三菱地所は大会運営会社に出資し、21年秋にも東京都心で入居企業対抗の大会を計画する。三菱地所が保有する施設に大会を誘致するほか、再開発にもeスポーツを生かす。丸紅は5月に英ロンドンを拠点に活動するeスポーツチームを傘下に持つ英企業と資本提携び、三井物産は子会社を通じプロeスポーツチームを設立した。
オランダの調査会社Newzoo(ニューズー)によると、24年にはeスポーツファンが5億8000万人と現在の4億7000万人から急成長が見込まれる。大半が今後の消費動向を左右するとされる「ミレニアル世代」や「Z世代」と呼ばれる20~30代の若者だ。企業は若者が中心を担う新市場に商機を見いだしている。